第22話 このまま死ねるか

翌日になった。

俺は雪乃の部屋を見る。

雪乃は父親を失った原因というのが相当ショックだったようである。

朝から部屋より出て来ない。

俺は「...雪乃。今日は休むか」と聞いてみる。


「...うん」


雪乃からはそう返事があった。

俺は「そうか」と言ってから「俺は学校に行くから。何かあったらメッセージを送ってくれ」と言う。

それから俺は雪乃の部屋から離れてから学校に行く為に準備をして表に出た。

そして歩いて登校していると「淀橋くん」と声がした。

顔を上げると御剣が居た。


「...お前か。何の用事だ」

「夢をまた見たんです。今度は...その...良くない夢で...」

「どういう夢だったんだ」

「淀橋くんが死ぬ夢ですね」


その夢は当たっている。

俺はそう考えながら話すべきか迷っていると御剣が「...この仮説ってあまり立てた事が無いんですけど前世って信じます?」と聞いてきた。

まさかの言葉に俺は見開く。


「...お前は信じるのか」

「だって見る夢がリアルすぎて不気味なんです」

「...成程な」

「何が起こっているのかも分からない」

「...」


俺は「公園に行こう。まだ時間があるから」と言ってから俺達は公園に来る。

そしてベンチに腰かけた。

それから俺は御剣を見てから「お前の見ている夢はすべて正夢だ」と告げた。

御剣は「?」を浮かべて俺を見てくる。

「どういう意味なのか」とでも言いたそうな顔だ。


「お前の見ている夢は俺の前世の夢で。...お前は前世では悪人だった」

「...悪人?悪人って何ですか...?」

「お前は前世では俺の結婚して浮気した屑野郎だった」

「...じゃあまさか」

「俺は当時の意識を持っている。過去に帰って来た。そして...これに関しては山口美鈴もなんでか過去の記憶を持っている」

「...そんな」


御剣は絶句してから「...待って下さい。それじゃ私は意のままに操られていたと?」と聞いてくる。

山口の手中に収まっていたのは事実だろう。

俺は顔を上げてから「お前は本来は性格が違うんだと思う。だけど弱みに漬け込まれたのと。もしくは何らかの影響で浮気したって事だろうな」と答えた。


「...前世では私は嫌われ者だったって事ですか」

「嫌われていたというか。半ば恨みで殺されそうにはなっていたな。俺の義妹に」

「...」


唖然としながら御剣は悲しげな顔をする。

「信頼していたのに」と言いながら。

俺はその姿を見てから「...お前がどう歩むかは分からないけど。もう山口には近づくな。大変な事になるぞこれ以上は」と言う。

それから俺は空を見上げた。


「...その。具体的に淀橋くんはどうなるんですか」

「俺はお前のせいでストレスの胃がんで死んだ。...だが事実が判明したからには俺はもう二度とそんなもんで死なない。山口を問い詰めて事情を聴くまで死ねない」

「...」

「お前もまあその悪い部分はあるけど。だけど今回はお前は記憶が無い。そして前世の記憶もない。タイムリープじゃないんだ。...だから俺はお前を責めるのは間違いかと思っている部分もある」

「淀橋くんはこの先どうするんですか?」

「こうなった以上は山口に事情を聴く。そして将来を考える」

「...美鈴を倒すって事ですか」

「倒すのも相当だが奴には色々と吐いてもらわないといけないしな」

「私はどうしたら良いですか」

「お前は何もする必要はない。...ただ裏切り行為をしなければなんでもいい」

「...」


そして俺は立ち上がる。

それから俺は「学校に行こう。御剣」と言ってから歩き出した。

すると「...私は前世でも最低だったんですね。アハハ」と苦笑した。

俺は「確かに最低だがお前は記憶が無いんだ。それに現状お前は浮気をしてない。お前を責めるのは恐らく間違っている」と言う。


「淀橋くん。...私の浮気した相手は誰だったんですか」

「それは俺の記憶に靄がかかっていて顔が分からない。浮気現場は見たんだが」

「淀橋くんはそれでも私を許すんですか?」

「あくまで許してはない。ただお前を責めるのが間違っていると思っているだけ。お前のこの先の行動によっては撤回せざるを得なくなるかもな」

「...分かりました」


それから俺達は公園を後にした。

そして歩いて登校していると「おはよ。英二」と声がした。

顔を横に向けると美玖が居た。


「...美玖」

「御剣と登校してるの?」

「ああ。彼女に前世の話をした」


その言葉に「!」となる美玖。

俺は「...昨日話をした通りだが山口美鈴は前世の記憶がある」と言葉を発した。

「だね。昨日話したもんね。...それで」と言ってくる美玖。

その言葉に「御剣とその事を話していた」と言う。


「そうだったんだね」

「...結論から言って山口美鈴の現在の起こしているこの暴走を止めなければ話にならないと思う」

「そうだね。奴を倒さないと」

「それは分かるがその前に奴から全てを聞き出さないといけない」


そう話していると「あの」と手を挙げて御剣が言った。

俺は「なんだ」と御剣を見る。

すると御剣は「私が囮になります」と話した。

そして「...せめてもの償いです」と御剣は言ってきた。


「でも私、貴方の事...」

「待て。美玖。...今日の放課後とか山口美鈴を呼び出せるか」

「分かりません。だけどやってみます」

「...じゃあ俺達はその追跡をする」

「はい。私...美鈴と何気ない会話で参加しようとは思います」

「...奴は同級生を川に突き落として殺人を犯そうとした可能性もある。十分に気を付けろ」

「え?それはどういう意味。英二」

「...雪乃の父親が死に意図的に誘導された可能性があって。それを説明するとー」


俺は御剣と美玖に全てを説明する。

美玖は歯を食いしばっていた。

その姿を見てから俺は御剣と一緒に学校に登校する。

山口美鈴に話を聞かなければならない。

決戦の日が差し迫っている。

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