第7話 花火

まさか前世の嫁に会うとはな。

タイミングが違う気がするんだが...というかこんなに早く奴に会う運命だったかな。

そう思いながら俺は考えていると「英二」と声がした。

俺は顔を上げた。


「ああ。美玖。どうした」

「誕生日。盛大にお祝いしたい」

「いや。良いよそんなに盛大じゃなくて。...俺は普通で良い」

「でもせっかくだしね。...だからその」

「?」

「私の家に来てくれない?誕生日の日」

「良いけど...どうするんだ」

「良いから」


そして俺は誕生日に先手を打たれる。

俺は「?」を思いながら嬉しそうに俺を見る美玖を見た。

誕生日、か。

そんなにこだわった事もなかったんだけど。

本当に俺の誕生日なんて。


「それと英二」

「...ああ。どうした」

「朝のあの子だけど」

「うん」

「彼女とはどこかで深い交流があったの?」

「...」


なんでコイツは心底的をえる様な事を。

そう思いながら驚きながらも否定の言葉で「いや。無い」と答えた。

美玖は「...良かった。...あの子は私は...」と言う。


「嫌いなのか?」

「違う。英二に対して脅威になりそうだから」

「それはどうしてそう思うんだ?」

「...幼馴染の勘かも」


俺は「!」となりながら言いかけようとした時にチャイムが鳴った。

そのまま手を振って戻る美玖を見る。

先生が入って来る。

この時の言葉を俺は。

「俺と御剣は深い人間だ」と。

言えなかった。



放課後になって俺は部活に行ってから帰ろうと思い。

夕焼け空の広がる駐車場を歩いて帰ろうとした。

すると校門辺りに誰か立って居るのに気が付いた。

それは...雪乃だった。


「雪乃?お前何をしているんだ」

「うーん。お兄を迎えに」

「馬鹿なのかお前は。時間が...」

「2時間ぐらい待った」

「アホ!お前という...時期は大丈夫かもだけどきつかったろ」

「そうだね。足がしびれちゃった」


そして雪乃は俺に近づいて来る。

雪乃は手を差し出した。

俺は「?」を浮かべて雪乃を見る。

「手を繋いで」とニコッとする雪乃。


「いやお前」

「良いから。ね?」

「...全く甘えん坊が」

「えへへ」


雪乃と手を繋ぐ。

それから俺達は夕焼けの道を歩きながら帰る。

その途中でお団子屋さんがあった。

俺達は買い食いをする。


「お兄」

「何だ」

「はい」

「いや。はいじゃないよ。柏餅を半分って間接キスになるんだが」

「良いから。間接キスぐらいで動揺するの?」

「しないけど」

「じゃあお兄のみたらしも下さい」

「お前な...」


そして交換し合う。

それから俺は柏餅を食べる。

美味しいなこれ。

思いながら雪乃を見る。


「お兄と間接キッスだね。...味がしないや」

「お前な...」

「兄妹の唾液の交換でしょ?」

「問題ある表現するな」


俺は雪乃からみたらしを取り返す。

それから柏餅を返してから家に帰って行く。

すると途中でブランコのある公園を見かけて雪乃は駆け出して行く。

俺は「オイ」と呼び止めるが雪乃はブランコに乗った。


「お兄。押して」

「いや押してって。子供か!」

「実際中学生でーす」

「...あのなぁ...」


言いながらも俺は押してやっている。

まあ愛しい妹だしな。

そう思いながら俺は背中を押しながら溜息を吐いていると「お兄。楽しいね」と声がした。

俺は「ああ。まあな」と返事をする。


「...ね。お兄」

「何だ」

「前にした約束覚えてる?」

「ああ。...なんだっけ?」

「私が15歳になったら誕生日のお祝いも兼ねて(なんでも叶える券)あげるって言ったよね」

「まあ確かにな。約束はした」

「じゃあ今使っても良い?」

「ん?今使うって何に?何が欲しいんだ」


するとブランコから降りた雪乃。

それから俺を見上げる。

な、なんだ。

そう思いながら「私ね。お兄と恋人に本気でなりたいって思うの」と言ってくる。

俺は動揺した。


「そ、それでなんだ」

「お嫁さんごっこをしてほしいなって。それが私のチケットの使う目的」

「は?...じゃあそれはまさか」

「今なら誰も居ない。それに私達の思い出の公園で...キスがしたい」

「!?」


何を言っている。

そう思いながら俺は雪乃は寄り添って来る。

「大丈夫。誰も見てないから」と「自宅でキスなんかやったら多分まずいでしょ?」と言う。

俺は柔らかいその感触に「...」となる。

ファーストキスは前世では御剣に捧げた。

しかしこれは。


「甘えるのが頂点に達している。流石にそれは...」

「約束の2つ目っていうか。1年前に私が全教科で100点を取ったら何でもお兄は願いを叶えるって言ったよ。それも使いたい」

「ま、まさか。本当に取ったのか」

「うん。学年1位になったよ。以後それをキープ中。...証拠もあるよ?」

「そんな事で100点を取ってどうするんだ」

「私、お兄と付き合うなら何でもする。何でもしたい」

「...」


「後はお兄がどう判断するかだね」と笑顔で寄り添って来る雪乃。

それから心臓の音を聴く仕草をする。

しかし相手は中学生だぞ。

これマズい。


「...雪乃。人生の願い事を全部使う気か」

「うん。私は...その為に今までの男子の告白を全部断って来たんだから」

「マジかお前」

「うん」


何故...そこまで。

そう思いながら俺は雪乃を見る。

雪乃はただ何も言わず俺に寄り添う。

逃がしてはくれなさそうだ。


「年上だぞ俺は。それに高校生だぞ」

「え?何が問題なの?」

「いや。お前は中学生だ」

「うーん。性犯罪の年の範囲は確か5年ぐらいの差だから」

「...」


駄目だ何を言っても逃げられない。

俺は彼女を失望させたくない。

だけど。


そう思いながら思いっきり迷っていると「ああもうじれったいなぁ。お兄がしないなら」と言い出した。

それから勢いよく胸ぐらを掴まれた。

そして俺は雪乃とキスを交わした。


「お、お前!?」

「えへへ。ファーストキスだよ。私の」


流石にかぁっと赤くなる俺。

当然彼女も赤くなっているものと思うが。

薄暗い世界だった為その表情は伺い知れない。

なんてこった。

義妹とキスをしてしまった。

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