13 少し話したいことがあって
しばらく、仕事の話や最近の出来事について、みんなで楽しく会話が続いた。
東や日高がたまに冗談を交え、朝陽と夕雨もそれに笑って答える。
少しして、朝陽がふいに口を開いた。
「すみません、あの……」
夕雨が顔を上げると、東も日高も自然に耳を傾ける。
「ここで少し話したいことがあって…」
朝陽が少し真剣な顔で話し始めると、誰も茶化さず、静かに耳を傾けた。
自然な優しさが、テーブルに広がっていた。
朝陽は、言葉を探すように小さく息を吸った。
「自分からお願いして、山口さんに事情を説明してもらったんですけど、自分の口からも言っておきたくて……」
そこで一度、言葉が止まった。
少しだけ、重たい沈黙が落ちる。
すぐに東がやわらかく笑って、「大丈夫、ゆっくりでいいよ。」と声をかけた。
日高も微笑みながら、「焦らなくていいから。」と続ける。
安心したように、朝陽が小さくうなずいた。
「……自分、新卒だけど、26歳なんです。」
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