先輩とあおいくん
れんが
プロローグ
旧校舎二階、パソコン室。ドアに「写真部」の張り紙があることを確認し、深呼吸をする。気合を入れ直してドアを開いた。
部屋には一人の女子生徒。俺を見て、驚いたように目を見開いている。新入生歓迎会で言っていたことが正しければ、写真部唯一の生徒。この部の部長の2年生。
彼女が何かを言い出す前に、俺は口火を切った。
「はじめまして、写真部入部希望です。これからよろしくお願いします、先輩」
先輩と目が合う。時間が止まってしまえと願った。早く明日にでもなってしまえと願った。
先輩が笑う。数年ぶりに見る笑顔だった。
「写真部へようこそ。よろしくね、あおいくん」
こうして俺と先輩の2人きりの部活動は始まった。
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