最初の授業

 その朝、俺は窓から差し込む朝日で目を覚ました。小鳥のさえずりがうっすら聞こえて、昨晩の妙な囁きも少し和らいだ気がした。まだ頭が重くて、ぐちゃぐちゃしてる。


 ベッドに腰かけて、顔を手で覆った。冷たくて、目を開けるのがちょっと怖かった。なんだこれ……?


 周りを見回して、なんとか落ち着こうとした。朝焼けがだんだん明るくなって、カーテンに差す光が温かい。


「なんでこんな急に変わったんだ?」って呟いた。


 頭を振った。昨晩のこと、ありすぎて処理できねぇ。


 ここはアカデミーの部屋で、ちょっと安心してるけど、本当に安全なのか?


「考えすぎると頭おかしくなるな」と自分に言い聞かせて、起き上がった。「飯でも食うか。」


 シャワー浴びて、制服に着替えた。昨日もらった青いシャツ、俺にぴったりだ。ちょっと窮屈だけど、他に選択肢なんてねぇ。


 食堂はすでに賑やかで、みんなグループで話してた。トーストとスープの匂いが漂ってて腹が鳴る。


「よー、けいいち!こっちだ!」


 ミチオが窓際から手振って呼んでる。


「おう。」トレーにパンとスープ乗せて彼のとこに向かった。


「今日はどうする?元気か?」ミチオはトーストかじりながら聞いてきた。


「頭爆発しなきゃ、まぁ大丈夫だ。」苦笑いしながら答えた。正直、昨日の出来事がまだ消化できてねぇ。システムとか魔法の力とか、運命の囁きがずっと頭をグルグルしてた。


 ミチオが笑った。「けいいち、相変わらず面白ぇな。でもマジで今日は新しいこといっぱいだ。準備できてるか?」


「わかんねぇけど…頑張るよ。」半信半疑で答えた。


 飯の後、二人で教室へ。ミチオは昨日学んだこと一生懸命話してたけど、俺はほとんど聞いてなかった。まだシステムと魔法のことばっか考えてた。


 チャイムが鳴って教室に入る。空いてる席に座ると、クラスは賑やかでみんな慣れてる感じ。前の方には黒ローブのメガネ男が立ってて、どうやら先生らしい。


「俺はクチキ教授だ。今日は魔法の基本、オーラの制御を教える。」冷静に言いやがった。


 俺は眉をひそめた。オーラの制御か…難しそうだ。


 教授はオーラが自分の内なるエネルギーで、魔法使うにはこれを制御しなきゃいけねぇって説明した。制御ミスるとヤバいらしい。


「オーラはすべての魔法の根幹だ。制御できねぇと魔法が暴走して自分が危険になる。」教授は言った。


 俺は適当にメモ取りながら、心はまだ混乱中。どうして普通の俺が突然魔法使えてんだ?


 授業終わり、俺とミチオは食堂出て校舎の外に向かう。そしたらミチオが急に止まって広場指差した。


「ちょっと練習しようぜ。せっかく覚えたんだ、忘れたくねぇだろ?」


 俺は頷いた。「練習ってどうやんの?」


 広場でミチオは楽しそうにオーラ制御試してたけど、俺はまだよくわかんねぇ。


「待てよ…システムあったな?」心で思った。


 集中すると、透明なRPG風画面がパッと出た。


【ステータス】

 名前: 中村 慶一 なかむらけいいち

 レベル: 1

 HP: ∞

 MP: ∞

 ジョブ: [ソードマン] [メイジ]

 タイトル: (なし)


【アイテム】

 エーテリアアカデミー制服


【設定】

 ステータス変更: [利用可能]

 オートモード: [OFF/ON]

 管理者ワールド:[非公開]

 ※ロック中:アクセスには条件が必要です

 追加ボタン:

 システムアップグレード: [条件未達成]


「……え?」俺は目こすりながら画面確認。


「ソードマンとメイジ、両方あるのかよ?」混乱した。昨晩魔法学んだばっかりなのに、なんでメイジがアンロックされてんだ?


 慌ててステータス変更開いたら、本当に二つ選べた。


「昨日ちょっと魔法触っただけで…メイジ?」頭掻きながら理解追いつかねぇ。


「けいいち、ぼーっとしてんじゃねぇよ」ミチオが声かけてきた。


「いや、オーラ感じてただけだ。」慌てて画面閉じて練習に戻った。


 このシステムマジで謎だ。ちょっと魔法覚えたら職業増えるなんて。


 練習続けてると、赤い短髪の少女が近づいてきた。好奇心満載の目で俺ら見てる。


「オーラの練習?」彼女が聞いた。


「ああ。」ミチオは笑顔で「一緒にやろうぜ」と言った。


「私は春美凛。参加してもいい?」


 もちろんOKして、リンも一緒に練習開始。


 練習中、俺は体内でオーラがはじけるの感じた。強いエネルギーが沸き上がり、手のひらに青白い渦ができた。すげぇ感覚だ。


「おお、けいいち!すげぇ!」ミチオの目が輝いた。


 リンも真剣に俺を見て、小さく笑った。「すごいよ、けいいち。」


 俺は照れくさく笑った。「いや、なんでこうなったか俺もわかんねぇ。」


 練習は続き、ミスや笑い声が絶えなかった。オーラ暴走のたびにみんなで笑った。楽しい時間だけど、心に違和感が消えねぇ。


 夜も更けて、涼しい風が吹き始め、俺らは練習終えてそれぞれ寮へ帰った。


 帰り道、ミチオが話しかけてきた。「昔、この世界には魔法の神様がいたんだろ?」


「ああ。」リンが答えた。「でも神様はどっかに消えたって。何か大きなことがあったか、運命が終わったのかもしれねぇ。」


 俺は黙って聞いてた。運命とか神様の話、今の俺にはひっかかって離れねぇ。これが本当に運命か?全部最初から決まってたことか?


 俺らは分かれ道で別れた。


「じゃあ明日は休みだ。ゆっくりしようぜ。」ミチオが言った。


「ああ、またな。」リンが手を振った。


 俺は一人で部屋に向かって歩きながら思った。


「もしかして…これも最初から決まってたことか?」


 夜風が耳元で囁き、解けねぇ謎を運んできた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る