第2話 檻の中の俺
ここは何処だ!? なんで俺は檻の中に居るんだ? さっきまで車に乗っていたのに……。
それに手には手錠がかけられ足には鉄球の枷が付けられている……。
「ンン! ンンンン! ン? ンンンンンンンンンンン?」
口を開けて喋ろうと試みるも全く口が開けない……。
「まぁ何ですの? この薄汚い奴隷は!」
声のした方向を見ると、そこには如何にも中世ヨーロッパの貴族の様なクルクルした髪の女性が扇子を口元で広げ、侮蔑の表情を浮かべている。
「ですが、その子供は空間魔法が使え国内では貴重な奴隷なんですよ! この子を飼うだけでステータスになりますよ!」
そういって奴隷商は俺の檻を教鞭の様な物でバンバンと叩く……。おそらくだが空間魔法を使えと言っているのだろう……。
だが、ぶっちゃけどうすれば魔法が使えるのか全く分からないし思い出せない。
「分かってるだろ!? 売れたきゃ特別感を出せ! でなきゃお前はいずれお払い箱だぞ」
貴族の女性に聞かれないように檻に近づきながら俺に耳打ちしてくるが分からない物は分からない。
「フンっ、何もできない木偶の坊じゃない! 危うくハズレを買わされるところでしたわ」
そういって貴族のクルクル髪は怒って店の奥に歩いていく。
「全く、お前は察しが悪いし、喋らないし、何が出来るんだよ! 穀潰しが! 魔法持ちじゃなければ直ぐにでも殺してやるのに」
そういって苛立ちを隠さず、檻を思いっきり教鞭の様な物で叩く。
「ちょっと、このエルフのイケメンくださる?」
檻を叩くと同時ぐらいに店の奥から、さっきのクルクル貴族の女性の声が聞こえる。
「少々お待ちください、今行きます」
そう言うと奴隷商の男は俺を睨みつけたあと店の奥に向かっていく。
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