大賢者ゼブムダン 享年21才(後編)
ゼブムダンの記録魔法は死ぬか巻き戻しを願うと使ったタイミングに時間が遡る魔法である。
この勝負勝ったも同然である。
オレが使える魔法は10万種類もあるからだ。
その内百種類の魔法はあらゆる魔術師の魔法を超越した威力である。
バルビエルがどれだけ強くとも何度だってやり直せる…。
ただやり直せるというだけでないオレは魔力が覚醒 した結果ループする度に力が爆増するパッシブスキル『リンカーネーションホルダー』も手に入れていた。
「一番最高の展開は奴を洗脳させて親を殺させる事だな。見たいからこれから使ってみるか!」
「見つけましたよゼブムダン!今度こそてめぇの息の根を止めてみせます!」
こいつ…まったく成長してないな…
まぁいい…そっちの方が楽で助かるしな…
「さっそくだが地獄を見せてやろう…「スレイブオーダー」!」
「ウィズダムダウン」
知力を下がる魔法をかけられた追放者は…
洗脳魔法を自分に使用した。
「ふははははっ!まんまとかかりやがったな!命令はこうだ!大切な家族と友人を皆殺しにしろ!」
そう言いながら追放者は元教え子の元へと向かった。
「嫌ああああっ!」
「オレっちの腕がああああああ」
「ごはあっっ!へぶぅっっ!お願いだ…殺さないでくれ!」
「いい気味だぁ…大切な人を失った気分はどうだぁ…?ひひっ…」
知力弱化が解除された。
「うわああああああああああ!」
追放者は記録魔法のセーブロード機能を行使した。
「はぁっ…はあっ…オレはなんて事を…
このスキルはダメだ!他の魔法で奴を殺してやる!」
ループ2回目
「ライフイレーザービーム!当たった生命を確実に消し去る最強魔法だ!」
「ミラー」
バルビエルが魔法の鏡を出現させるとビームは追放者の方向へ跳ね返った。
「へ?」
ループ3回目
「は!?オレはやられたのか!?いいや!あんなのただのまぐれだ!奇跡は3度も起きない!
確か魔法封じ魔法があったはずだ!
攻撃手段を封じて殺してやる!さぁバルビエルよ早くここまで来てくれ!来たらマジックバインドをかけてやる!」
隣町にいるバルビエル
「ロングレンジギガボルト」
追放者の場所を突き止めた彼女は長距離から一方的に攻撃できる長射程の魔法を行使した。
「バルビエルと戦う前に念のために防御魔法をかけて置くか「ゴッドプロテクション」!これで1時間は無敵なはずだ!」
ビリビリビリビリっ!
「あばーーーーーーー!!!」
防御力を上げても尚追放者はバルビエルの攻撃を耐えられなかった。
ループ4回目
「クソっ!こうなったら手段は選んでられない!総力戦だ!「ボディーコピー」」
錬金術で自分と同じ力を持ったゴーレムを千体錬成した。
「できるだけ多くの魔法を使え!これなら一度くらいはバルビエルを殺せるはずだ!覚悟しろ!」
ループ17852回目
おかしい…
オレはループの結果何倍も強くなっているはずだ!それも17852回もループしたんだぞ!?
なのになぜ勝てない!?
「あらあら…お困りのようね…」
「誰だ!」
「まだ名前は言えないけど私「追放ざまぁ遂行人」と言う存在なの。罪の無い追放者が追放指示者を破滅させる為のサポートをするのが追放ざまぁ遂行人の役目よ。お手伝いさせて貰えるかしら!」
「願ったり叶ったりだ!是非お願いしよう!」
「まず記録魔法を強化するわね?えいっ」
「オレの体が輝やいて…強くなったのか?」
「ループ前に得た経験を引き継げるようになったわ…さぁ修行を始めるわよ」
「よろしく頼むぞ!師匠!」
ループ268777回目
「よく頑張ったわね〜特訓は終わりよ!お疲れ様!」
「………」
「声も出ないみたいね。しばらく休憩しましょう」
1時間後。
「オレは間違いなく最強になった!ありがとうございます!これでバルビエルを倒せます!」
「お礼なんていいわよ~。後で一つだけお願いしたい事があるからが授業料はそれって事でいいかしら?」
「もちろんです!」
「記録魔法のセーブはここでしていきなさい」
「はい!「セーブ」!それでは行ってきます!」
「またね〜…」
「オレは…バルビエルを越えたぞ!覚悟しろ!今日が貴様の命日だ!「オーシャンフォール」!」
「なんて凄まじい魔力…ぐぅ!」
やった!ようやくまともに攻撃が入ったぞ!
オレは一方的に攻撃を続けた
「ゴッドロックランス!」
「ゴッドフレイムドラゴン!」
「ゴッドパラライズスラッシュ!」
「ゴッドポイズンカース!」
「ロングマジックバインド!」
「くっ…これは勝てそうにないですね。もう私が生存できなくてもいい…命を代償にてめぇを消滅させる!はあああ!ライフバースト」
「なんの!ゴッドカイザーキャノン!」
「ぬっ押され…、ぐわわああああああああ!!!」
「クソっ…ここまで来て負ける…おや?貴様…死んでるじゃないか!相討ちという奴だな!と言うことはあと数回ループする事で奴だけを死なせる事ができるに違いない!あと一息だ!気合い入れていくぞ!
ループ99999999回目
「ゴッドロックランス!」
「ゴッドフレイムドラゴン!」
「ゴッドパラライズスラッシュ!」
「ゴッドポイズンカース!」
「ロングマジックバインド!」
「何故だ!何故…前回まで効いたオレの最強魔法が…全部通じなくなっているんだ!?」
「だって今までのはバルビエルちゃんじゃないもの」
「師匠!オレを助けに来たんですか?」
「質問には答えないわ…伝えたい事があるの
貴方がバルビエルちゃんだと思って殺したのは異世界の極悪追放者達だったの。拉致してきたわ。元々男だけど幻惑魔法と幻聴魔法でバルビエルちゃんに見えるようにしたの。無抵抗だったのも貴方より弱かったのが理由よぉ。後ライブバーストだけは私が撃ったの」
尚異世界の追放者はループせず死んだままである。
「は?はーーーーーーーーー!!!!????」
「そもそも追放ざまぁ遂行人なんて概念は存在しないわ…それと一番伝えたかった事だけど私は魔王ケルビオン、バルビエルちゃんのお母さんよ!」
「えーーーーーーーーーー!!!!!!????」
「偽物と違って本物のバルビエルちゃんには敵わないようね」
「この女ぁ!オレを陥れて何がしたいんだぁ!?」
「私達は追放者に誰も破滅させられる事が無い平和な世界を作りたいだけ」
「何を言ってるんだ!?」
「お母様は過去のループでライフバーストを99999998回撃った。鑑定魔法で判明した。てめぇがお母様を殺した数だ!覚悟はできてんだろうな?」
「いやいや何言ってんの!?オレは何の罪も犯していないだろ!無実の人間を責めるなーーーー!」
極限状態で放たれたゼブムダンの魔法は極限的に増幅した状態で発射された。
だが…
「手筈通りお願いね?」
「はい!「ディメンションゲート」」
ビームを撃った方向に異次元ゲートが表れビームを吸い込んだ。
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああ」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
ゲートから悲鳴が聞こえてきた
「あひゃ?」
「このゲート越しに放たれた攻撃は追放者にしか当たりません。どうやら異世界の追放者は全滅したようですね」
「なっ…何だってーーーーー!!!!????」
「奥の手は残ってないですよね?」
「クソぉ…クソぉ…何で勝てないんだ!最悪だ!」
「ねぇ、お母さんのお願い聞いてくれる?」
「…」
「猿夢の森へ追放するからそこでセーブして頂戴?」
「え?」
「い、嫌だぁ!そんなの積みセーブじゃないか!ただ殺すよりも酷いじゃないか!お前らに人の心はないのか!?」
「「追放者の方がよっぽど外道だろ?」よね?」
「がはっ!?」
2人は追放者へトドメを刺した。
ループ100000000回目
「記録魔法のセーブはここでしていきなさい」
「は!?ここは…魔王の目の前!?」
「ブラッドクロウ」
「ぐへぇ!!??」
ケルビオンは爪を巨大化させ追放者を引き裂き殺した。
ループ100000001回目
「記録魔法のセーブはここでしていきなさい」
「ブラッドクロウ」
「あびゃあ!!!?」
ループ100000002回目
「記録魔法のセーブはここでしていきなさい」
「ブラッドクロウ」
「びゃんっ!」
ループ100000003回目
「記録魔法のセーブはここでしていきなさい」
「ブラッドクロウ」
「まべぇぇえ!!」
ループ9999999999回目
「い、いぎまずがら猿夢の森へ行きますからがんべんじでぐだざい…」
「ふぅ…やっと折れたわね…」
魔王ケルビオンは優しかったのでセーブ能力を没収して積みセーブが発生しなくしてからゼブムダンを猿夢の森へと追放した。
ゼブムダンは366日で衰弱死したのであった。
ゼブムダン追放から3日後。
「まったく!お母様は無茶しすぎなんですよ!この世界だけでなく異世界の極悪追放者も減らしたいと思うのは立派ですが相手のループ能力を利用してライフバーストを連発するなんて…」
ここは魔王城
バルビエルの周辺には大量の甘い物が並べられていた。
「ご、ごめんねバルビエルちゃん〜」
「私の機嫌を直したいんでしたらパフェのおかわりを持ってきてください!」
バルビエルは自己犠牲まがいの特攻に走った母親に怒っていた。
並べられた甘味はバルビエルの機嫌を直す為のものである。
「バルビエルちゃん許して〜」
ケルビオンの声が魔王城に響く。
割と日常風景である。
ハチャメチャな出来事は多いが実は家族愛にあふれている二人。
そんな彼女らは今日も世界中を巻き込んでハチャメチャな治安活動に励んでいた。
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