深紅の夜想曲

新社会人

第1話

『深紅の夜想曲』 第1話


転生と新たな仲間たち、そして暗雲が立ち込める戦闘の始まり


アテナの目の前には無限に広がる漆黒の闇が広がっていた。

いや、闇とは言っても、それは底知れぬ静けさと圧倒的な力を孕んだ、異質な空間だった。


(……私は、どこにいる?)


記憶が、ぼんやりと霧に包まれている。

ただ、確かに聞こえた声だけは鮮明だった。


──「選ばれし者よ。運命を紡げ。」

アテナの体は、次第に重力を取り戻し、ふわりと宙に浮かぶ感覚が消えていった。

気づけば、彼女は見知らぬ草原に立っていた。空は深紅に染まり、奇妙な黒い太陽が沈もうとしている。


「ここは……どこ?」


心の中に不安が広がる。しかし、それ以上に胸の奥から湧き上がる”使命感”が、アテナを動かしていた。


「アテナだな?お前も、呼ばれた口か」


声をかけてきたのは、一人の獣人の少年だった。

鋭い耳と、金色に光る瞳。手には大きな斧を持っている。


「俺はザイク。獣人族の戦士だ」


さらに後ろから、二人の影が現れる。

一人は、長い銀髪をなびかせた無表情の少女、もう一人は、背中に精霊を纏った細身の青年だった。


「リリア。魔術師。」

「オルフェ。精霊術士だ。」


そして最後に現れたのは、黒いローブを纏った男。

気怠げな態度とは裏腹に、鋭い気配を隠しきれていない。


「……ヴェインだ。よろしくな。」


こうして、5人の仲間たちが出揃った。

だが、再会を喜ぶ間もなく──大地が揺れた。


地割れとともに現れたのは、異形の魔物。

巨大な鎧に身を包み、血のように赤い光を放つ瞳が、彼らを見下ろしていた。


「敵……!」


アテナはすぐさま構えを取った。

手には、気づけば美しい光を帯びた剣が握られていた。


(やるしかない!)


その瞬間、リリアが詠唱を始めた。低く、速く、まるで呪文を叩きつけるかのように。


「――光よ、穿て、《閃光の槍》!」


一筋の閃光が走り、魔物の装甲を貫いた。

だが、魔物は怯むどころか、轟音と共に拳を振り上げる!


「くっ、ザイク、いくぞ!」


「任せろ!!」


ザイクの斧が唸りを上げ、オルフェが精霊たちに指示を飛ばす。

ヴェインは静かに手をかざし、呪符を空中に描いていく。


圧倒的な力の魔物。

だが、仲間たちは一歩も引かなかった。


(ここから……始まるんだ)


アテナの瞳に、炎が宿った。


(;_;)

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