幻想の章

第1話 蜜蜂 『花園の誓い』

春の風が、花畑を渡っていく。


菜の花、クローバー、れんげ草。

色とりどりの花たちが、風に揺れながら、

陽の光を浴びてきらきらと輝いていた。


少女は、ノートを片手に、じっとその中に立っていた。


──わたしも、こんなふうに、世界の仕組みを知りたい。


将来は、研究者になりたいと思っている。

小さな生き物たちが紡ぐ、無数の物語を、

一つひとつ拾い上げていきたいと。


ふと、耳元で、かすかな羽音がした。


「……あ」


目を向けると、そこに小さな群れがいた。


黄金色の、小さな体。

ひとつ、またひとつ、

花から花へ飛び交う姿。


──蜜蜂(みつばち)。


英語では、**Honeybee(ハニービー)**と呼ばれる。

Honey(ハチミツ)を作り、Bee(働き蜂)として群れを支える存在。


少女は、そっとノートを閉じた。


蜜蜂たちは、互いに助け合い、

誰か一匹が倒れても、

残った仲間たちで巣を守る。


孤独ではない。

ひとりで抱え込まない。


力を合わせて生きる姿に、

少女は、なにか温かいものを感じた。


──わたしも、こんなふうに。


ひとりだけじゃ、できないこともある。

でも、誰かと協力すれば、

まだ知らない世界に、手が届くかもしれない。


風に揺れる花たちのむこう。

蜜蜂たちが、今日も忙しそうに飛び交っていた。


少女は、そっと胸に誓った。


──小さな命をつなぐために、

──わたしも、学び続けよう。


空は高く、青かった。


──


蜜蜂(Honeybee)。

花から花へ、命をつなぎ、世界を育てるもの。

わたしもまた、誰かと手を取り合いながら、未来を紡いでいく。

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