第9話 続メンタル最強女が選ばれた理由と密約

 「私に触れられただけでもありがたく思いな」


早乙女は倒れた敵に向かって氷のような目つきで言う、早乙女の美しさに山村は少し見惚れた。


 「何、いやらしい目つきであんたも見てるのよ」


山村は凄まじく恥ずかしい気持ちになって、あたふたした、と同時にそれはまだ、危険が無くなった訳では無いが、少し安心してきたので山村の戦闘モードが下がってる証でもあった。


 「いつものビクビクしてる状態に戻ったわね」


山村はあっさり、早乙女に言い当てられた。


 「何で、敵を倒せたんだ」山村は弱々しく言う、戦闘モードは解除されたが、まだ他に敵が来るかもと言う気持ちが消えた訳でわなかった。


 「教えてあげるわ、私は、人体にある数百以上の相手を動かなくする急所の場所が分かりそこをつく事ができるの、そこをついた訳」


「でも、どうやって急所が分かるんだ」


「そうゆう訓練をしてるからよ」


「そうゆう訓練なんてした事も聞いた事がない」


「部隊でやる訓練じゃないわ、私の父が、その訓練をさせる人でね、幼い頃から訓練してた訳、慣れてくると毛細血管から、体の緊張具合とかから、少し相手の体を見るだけでそれぞれの人体の急所が分かるようになったのよ、そこを素早くつくのなんて朝飯前」


 それでか、格闘能力は男に劣るはずの早乙女が自分と共にこの任務を任された真の要因はと山村は腑に落ちた。


 「さあコイツを縛って、本部に連絡するよ

 

 異能力者を縛った後、部隊直通の専用通信機を使って早乙女は異能力を捕らえた事を報告した。


特殊部隊XTの班が車両で到着すると「任務ご苦労様です」と到着した特殊部隊班全員に敬礼された後、まだ、気絶しているチート能力者を連行して行った。


 山村も流石に他の敵が襲ってくる事は無いだろう言う気持ちの方が強くなってきて、安心しかけた矢先だった。


 「ちょっと気になる事があるのアンタも付いてきて」


真剣な早乙女の声のトーンが只事では無い事を物語っていた、絶対に愛の告白などという類のものでは無い、山村は、すごく嫌な予感がしたが、断る勇気もなく早乙女に仕方なくついて行った。


 ついて行った先は、西本の研究室だった。


 ノックをして早乙女がドアを開けると、山村が机の椅子に座って、何か資料を読んでいた。


 こんな事があったのに、逃げてないのかと山村は思った。


 西本は2人に顔を向けると「終わったみたいだな」淡々とした様子で聞くその声は妙に落ち着いていた。


 その姿の見た早乙女が開口1番、西本へ「アンタ、組織と繋がってたでしょ」


西本は顔を崩さない。


 早乙女は続ける「アンタ、さっきから命を狙われているにも関わらず、恐怖を感じている様子はないわ」


「西本はこの研究に着いている時点で命は捨ているからね」


 「そうかしら、あなたの余裕は、組織と取引してるからじゃない、恐らく研究を差し出す代わりに、命を助けてもらう約束をしたってところじゃない」


「君の推理、結構いい線いってているね、でも少し違う」西本の冷静に顔がニヤリとした笑みが浮かぶ。


 「本当は、組織に俺は移る予定だっんだよ


山村はその言葉を聞いて、凍りついた、早乙女は微動だにしない。


 「最初から俺は、組織に戻るつもりだったんだよ、組織には昔の仲間が何人かいる、そいつに連絡をとって、俺の研究の成果を伝えたのさ、組織の研究所に行かないとチート能力研究の最先端の研究は出来ないからね、そして研究の結果が認められて、俺は組織に戻る事になった、しかし俺は日頃から国家から機密を外に持ち出さないようマークされている、そこで国にバレないように組織と連絡を取って俺の命を狙うと政府に伝え、そのまま表向きは殺されたという事で、組織に再び戻ってくるつもりだったのさ。


 「そんな事で、実際にに警備隊達は大怪我を負っている、僕達もを命をかけて必死に戦ったんだぞ」山村は恐れながらも、怒りの方が勝って、西本を糾弾した。


 西本は意に介する様子もなく「この研究所には多くの資料や人が関わっている、私が抜けた後、この研究を続けられても困るので、敢えてこの研究所と研究員を消す事を組織は私が戻る条件として出したのさ、だから私は研究所の場所と関わった研究者全て組織に教えた、消してもらうためにね、警戒されない様に、政府にあくまで私の命だけが狙われているという事を組織から伝えてもらう事と政府には私以外にはこの事を口外しないという事を約束してもらった、元々警護はこの研究所は厳重だし、君たちが2人ぐらいいても気づかれない、ただ計算外だったのは君たちが、チート能力者に勝った事だ、この戦闘も研究データとして使わせて貰うよ」


「でもアンタ、私達が敵を倒した今、見張られているアンタが、組織に逃げられると思う」


「君、みくびって貰たちゃ困るよ、私はこの国でこの研究の第一人者だぞ、しかも、チート能力を君たちが倒した事のデータの解析という重職にある、私の目論見がバレたところで、政府は私を重用するしかないさ」


 山村は言いようの無い怒りを覚えた、早乙女を見ると表情は変わっていない、怒らないのかと思っていると早乙女は「じゃあ、ちょっといい話を聞いてくれない」西本に言った



 

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