4-2  終止形と連体形②

 「終止形」と「連体形」の間違いは、単に文法だけの間違いではありません。


 「文語」俳句なのか、「口語」俳句なのか? これを曖昧にしたままだと、安易な音数合わせだけで見落としてしまうのです!



 例えば、「消える」と「消ゆ」との活用形です。


【消える】

①未然   消えない

②連用   消えます

③終止   消える

④連体   消える

⑤已然   消えれば

⑥命令形  消えよ


【消ゆ】

①未然   消えず

②連用   消えたり

③終止   消ゆ

④連体   消ゆる

⑤已然   消ゆれ

⑥命令形  消えよ



 「消える」では終止形と連体形は同じですが、「消ゆ」では変わります。特に口語俳句が多い方は、安易な音数合わせは失敗の原因になります。

 また安易な語順の入れ替えも、原因の1つです。終止形で終わっていた句の語順を入れ替え、体現止めで終わる。


【案1】○○○○○○燕消ゆ

        ⇓

【推敲】○○○○○○消ゆ燕

※「消ゆる」と連体形にせず、終止形のまま。また音数も変わってしまう!


 文法を直して採ってくれる場合もありますが、かなりレアケースです。賞品や賞金のある公募では、その時点で落選です。投句前に、活用形が合っているかを再確認しましょう!

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