第38章: 霧崎の再臨

悠真は急いで霧崎に戻った。町は濃い霧に包まれ、まるで迷宮が復活したようだった。住民たちはパニックに陥り、港や広場に集まっていた。田中刑事が悠真を迎え、言った。「佐倉さん、町の中心に黒曜石の祭壇が現れた。黒崎の残党が、町民を襲ってる。」


悠真は短剣を握り、広場へ向かった。そこには、血の黒曜石でできた巨大な祭壇がそびえていた。中心には、魂の裁きと呼ばれる黒曜石が積まれ、赤い光が脈打っていた。祭壇の周りには、黒崎の手下がいたが、彼らの目は狂気に満ち、まるで魂が黒崎に支配されていた。


黒崎が現れ、身体は裁きの黒曜石でできた鎧に覆われていた。「佐倉君、霧崎へようこそ。第十三の門、魂の裁きだ。」彼の手には、血の黒曜石の鞭があった。鞭が光ると、町民たちが叫び声を上げ、魂が祭壇に吸い込まれた。「君の姉も、霧島君も、魂の海で私を待ってる。」

悠真は短剣を振り、黒崎に突進した。「黒崎、町を巻き込むな! 美咲と玲奈を返せ!」だが、黒崎の鞭が悠真の腕を切り、血が祭壇に滴った。祭壇が光り、美咲の声が響いた。「悠真……裁きを……私の魂で……。」


突然、霧の中から玲奈が現れた。「悠真! 私を信じて!」彼女の身体は半透明で、まるで魂の海から抜け出したようだった。悠真が叫んだ。「玲奈! 本物か!?」黒崎が笑った。「佐倉君、彼女は私の傀儡だ。魂の裁きは、君の信頼を砕く!」


玲奈が銃を構え、黒崎を狙った。「悠真、私は魂の海で戦ってる! 黒崎の幻に騙されないで!」彼女が撃った弾は黒崎をすり抜け、祭壇に命中した。祭壇がひび割れ、黒崎がよろめいた。悠真は玲奈の言葉を信じ、祭壇に飛び乗り、短剣を突き刺した。


祭壇が爆発し、霧が晴れた。黒崎が叫んだ。「佐倉君、魂の裁きは終わりじゃない! 魂の海が、君を飲み込む!」彼の身体は光に溶け、消えた。玲奈の姿も消え、悠真は膝をついた。「玲奈……どこだ……。」


町民たちが広場に集まり、悠真を英雄と呼んだ。だが、悠真の心は重かった。玲奈の真意は本物だったのか? 魂の海は、すぐそこまで迫っている。坑道の入り口に、黒曜石の欠片が落ちていた。表面には、「第十四の門、魂の終焉」と刻まれていた。


田中刑事が言った。「佐倉さん、黒崎の資金がヨーロッパに流れ込んでる。次の拠点は、アイスランドだ。」悠真は短剣を握り、決意した。魂の海で、すべての戦いを終わらせる。美咲と玲奈を救うため、悠真は霧崎を後にした。

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