シネ ヤメ

岳者

第1話 怪談階段

「では、ここの山枝荘にご入居ありがとうございます。初めは20万で家賃は7万ですので早速ですがお金を貰おうと思います。」

 その言葉をうまく思い出せない。目の前にスーツ姿の男がいるがその後ろに変な雰囲気を漂わせている幽霊みたいなのがいる。

 とりあえずはスーツの男にお金を渡し、自分の新居に行くことにした。

 階段を登ろうとしたら上の方から「ゴオオー」という轟音が聞こえてきたのだ。

 気にすることなく階段を上っていくと次は「んわぁんんわぁん」と変な音がしていて、無意識的に聞き耳を立ててしまう。

 また、階段を上っていくと肌白く何も着ていない赤ちゃんが泣いていた。触ろうとしたが赤ちゃんの周りが冷気のように冷たかった。

 急いでカバンを肩に掛けて2階に上がっていくと水色をしてニコちゃんマークが背中に描かれている服を着て体育座りをしている。

 こっちに気付いたかのように頭を上げてから「ねえ…ねえ…ねえ…どうして、どうして、どうして…」と言っていると少年の顔が爛れていき声が低くなっていった。

 最終的には目の前から消えていった。


 やっと、自分の新居に着いた。

 ドアスコープが備えてありドアの右側には古いチャイムが付いてあった。

 周りを見ていると新居の扉がゆっくりと開いたのだ。

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