第17話

 

 それを聞いた瞬間、最上さんの顔つきが変わった。


「息が落ち着いてからでいい。詳しく、状況を説明してくれ」


 それを聞いた中田さんは何度か深呼吸をし、事態の説明を始めた。


「今から約30分前に新宿第十三ダンジョンでスタンピードの予兆が検知され、状態を確認するためにAランクパーティー、〈四傑〉がダンジョンに派遣されました。ですが、彼らがダンジョンに突入してから20分後、パーティー全員の生命反応が消失したのです」


「なんだと?〈四傑〉は私も聞いたことがある、もうじきSランクに上がるのではと囁かれるほどの4人組パーティーだった筈だ。それが何故Aランクダンジョンで...」


「申し訳ありませんが、今は時間がない為手短に済ませていただきます。〈四傑〉の生命反応が消えてからおよそ2分後、ダンジョンからモンスターが一体出てきたのですが、そのモンスターからSランクモンスターに匹敵する魔力が観測されたのです」


「なんだと?それ本当ならば、今そこの防衛はどうなっている?生半可な戦力では到底抑えきれない筈だ」


「今は、丁度ギルドにいたSランク冒険者の遠藤風太さんが防衛にあたっています」


「!」


「ふむ、ならばまだ暫くは問題ないな。すまない、続けてくれ」


「はい」


 まさか、防衛にあの〈堅実的最強〉と呼ばれる遠藤風太さんがあたっているとは。

 彼はしょじしてUスキルを駆使して自分と同じくらいの強さのモンスターとしか戦わないと言う、堅実的な戦い方が特徴のSランク冒険者だ。


「私がこのような方法でスタンピードの報告に来た理由ですが、実は新宿第十三ダンジョンから唐突に、超強力な電磁波がスタンピードと共に発せられたからなんです。そのおかげでダンジョン付近にあった電子機器の全てが使用不可になり、連絡が不可能になってしまったんです。なので、その場にいた者の中で一番俊敏が高かった私がこうして来たのです」


「成程。しかし、ならば君はなぜあそこまでボロボロの状態でここに来たのだ?」


「...実は、最初に出てきたAランクモンスターを皮切りにSランクモンスターも後からどんどんダンジョンから出てきたんです。幸いにも、内包魔力量は通常のSランクモンスターよりも低かった為、なんとかその場の戦力で対抗できていたのですが、いかせん数が多く、私も少しだけ戦いに巻き込まれた結果、このように多少の傷を負ってしまったのです」


「...これは思った以上にまずいことになっているかもしれない。状況が『新宿六.二五スタンピード災害』の時とあまりにも似ている。あの時も強力な電磁波の影響で通信が取れなくなり、甚大な被害を出してしまった...本部の方にこれから連絡する。中田君、ありがとう。よく、休んでくれ」


「ありがとうございます。では、失礼します」


「神崎殿、申し訳ありませんが答えを聞くのは次回となりそうです。そして、これから言うのはギルドマスターとしての命令です」


「わかりました」


「これより新宿ギルド支部の救援へ向かいます。全ランク対象の強制依頼です。各自、準備ができたものから現場へ向かえ。以上!」


「了解!」


「これから私は他のギルドにも救援を要請します。神崎殿、どうかご無事で」


「ありがとうございます。それでは、行ってきます」

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