第6話
そして教室に着くと大量の視線を浴びる。椅子に座ると、何やら手紙ぽいのが入っていた。体育館裏で待ってますと書かれていた。
もしかして告白!?この俺が告白をされるまでになったのか?初音さんと一緒にいたことで、焦って告白をしようとしてるのか?俺は嬉しくてほほが緩んだが、告白は断わるつもりでいる。初音さんが好きだからな。これは何があっても変わらない。
少しそわそわしながら、俺は授業を終えて、昼休みになり、いつもの中庭に向かった。もちろん今日は一人だが。そこで買ってきた麻婆丼を食べていた。
「ピリッとした辛さがたまらなく美味しいな」
やっぱり辛いものは正義だ。告白かー。俺みたいのが誰かのか告白を振るのは烏滸がましいが、好きな人がいるから仕方ない。それだけ初音さんが好きなんだから。
それからお昼を食べ終わりフランス語の単語帳を少しやり、お昼休みが終わったので、教室に戻り、入るときに視線を集めながらも、気にしない振りをして、椅子に座った。
そして授業が6限まで終了し、とうとう放課後がやってきた。俺は逸る気持ちを押さえながら、教室をでて、体育館裏に着いた。
「まだ少し早かったか。待っていればそのうち来るだろう」
すると足音が聞こえた。とうとう来たか。どんなやつなんだろうか?俺はそっちを見るとそこにいたのはクラスメイトの男達だった。
「おい告白だと思って、先に来たのかよ。飢えすぎだろWW」
「お前に告白するやつなんていないだろ」
そう言って男達はバカにしたように笑い出す。
「お前を呼んだのは脅迫をやめてもらうためだ。初音さんと一緒にご飯を食べれるなんて、脅迫したからに決まってるだろ。初音さんが言えないから、俺が代わりにいいに来たんだよ」
一緒に食べるなと言いに来たのか。まぁ端から見たら、俺が初音さんと一緒に食べているのは何かしたから一緒に食べてるようにも見えてもおかしくはないな。だが脅迫はしていない。初音さんが自ら、俺と食べてくれたんだ。
「脅迫なんかしてないがな。話はそれだけなら帰るぞ」
「まて脅迫してないなくてもお前に初音さんはぶかっこうで地味なお前には釣り合わない。隣にいるのやめろ」
確かにぶかっこうな俺は初音さんとは釣り合わないことなんて分かっている。だからできるだけ初音さんの邪魔にならない程度に接するつもりだ。そんなにしつこく話しかけたりはしない。
「分かってるよ。俺が初音さんに釣り合わないことくらいな。俺からは滅多に話しかけないから、それでいいだろ」
「ふん立場は弁えているようならいい。初音さんみたいな美少女がお前になびくことはないんだからな」
そう言って、男達は去っていった。結局告白だと浮かれていた俺がバカらしく思うわ。俺に告白するやつなんて冷静に考えてみるといないもんな。
「さて帰るか。ご飯作るの面倒だし、ラーメンでも食べに行くかね」
俺は体育館裏を後にして、平和台駅に向かった。駅に着いて流鉄に乗り、馬橋駅に着くと俺は降りて、家に向かっていった。他の生徒も降りてきたりして、相変わらず女子の顔面レベルが高いなと実感する。その中でも初音さんは飛び抜けて美少女だが。ファンクラブがあるくらいだしな。
駅から歩いて家に向かっていると、ラインが来た。俺にラインをするやつは親か京太くらいだ。だからどっちかなので、京太だったら夕食の誘いだろうなと思って、俺はラインを見た。
『今日一緒に夕食食べようぜ』
やはり夕食の誘いだな。ラーメン食べたいし、それでいいなら一緒に食べるか。
『ラーメン食べるかいいか?』
『お、ラーメンかいいじゃねーか。魚介ラーメンで頼むわ』
京太は筋金入りの魚介ラーメン好きである。俺も魚介ラーメンは好きだから、いいんだが。魚介となると、テラスモールにある冨田系列のラーメン屋だな。あそこは魚介が主で美味しいからな。
『テラスモールで集合な』
『分かった。19時くらいに行くわ』
少し勉強でもしてから来るんだろうな。それがルーティンみたいなものだし。俺は先に本屋に行って、待っているか。
俺は家に着くと、制服を脱いで、レーブのバックを持ち、その中に財布と携帯を入れて、家をでた。
「テラスモールまでそこそこ歩くんだよな。まぁ美味しいラーメンのためなら苦じゃないがな」
レーブの曲をイヤホンを刺して、携帯で聞きながら、テラスモールに向かうと、すぐに着くことができた。
「やっぱり長時間歩くときは好きな曲を聞くに限るな」
店の中にはいると、いろんな店が入っている。ショッピングモールだから当然なんだが。特にファッション関係が多く感じる。そして高校生が多い。制服着てるからすぐに分かる。竜山高校のちょっと上の偏差値の小金沢高校の生徒が多い。まぁここからはあそこの高校が近いからな。それと美少女率もうちに負けないくらい高いんだよな。偏差値60辺りだと美少女が一気に増えるんだろう。MARCHとか美少女多いし。
「それじゃ本屋で時間潰すか」
どんな本に会えるか楽しみだ。俺は本屋に向かっていた。
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