零細企業がWin95を搭載したメイドロボットを開発続けて三十年、ポンコツでも完成しました。

霜花 桔梗

第1話 ついに完成。

 〇月×日。


 朝、寝ていると大興奮の父親が起こしにきた。

「弘真、ついに完成したぞ」


 父は零細企業の社長をしている。社長と言っても給料の大半を研究開発費に使ってしまい。ド貧乏な家庭であり、その結果、念願のメイドロボットが完成したのだ。


 起こされた俺は眠気を感じながら研究施設に向かう。そこに居たのはメイドロボットの薫子であった。


「おはようございます、御主人様、私は世界征服の為に作られたのですね」


あい!?


「父さん、このメイドロボット変な事を言っているよ」

「確かに……、このメイドロボットは家庭の家事をする為に作ったはずだ。少しOSを見てみるか」


 父親は近くのパソコンを起動する。


「どうだ、凄いだろ遠隔でメイドロボットのOSを操作が出来るのだぞ」


 起動したのはWin95であった。


「父さん、古くない?」

「仕方がないのだよ、三十年前から開発を続けていてね。その時のOSを使っているのだよ」

「アップデートは?」

「残念、スペックが足りなくて不可能なのだ」


 あああ、ポンコツ臭のするメイドロボットだ。


 で……。


「Win95で見た限り状態に問題はない。やはり、完成と言っていい」


 父親は小首を傾げて困っている。


 俺は試しに……。


「脱げ、脱げ!!!」


 メイドロボットの薫子に言ってみた。


「御主人様、禁止事項です。八極拳による制裁です」


 薫子は俺の間合いに一瞬で入り八極拳の技を放つ。


『ぎええええ』


 俺は二時間ほど気を失っていた。起きると体に痛みが走る。


 八極拳で世界征服か?とんだポンコツロボットだ。

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