第33話 銀の草原
口銀の草原
口ダデム
冒険者の宿
季節は、初夏。
初夏のさわやかな風が、ブラインドウインドウから入ってくる。
エディブ「アイスフロート、二つ、はいお待ち!!」
飛び起きる、カール。
カール「あ~、疲れたあ~」
ソフィア「だらしないわねえ」
急いで、アイスフロートを頬張る、カール。
食べ終わると。
カール「ちょっと休憩!」
いびきをかき出す。
ソフィア「あ~あ、寝ちゃった」
アラゴー「休ませとこう」
エディブ「それにしても、今年の、セミは!」
宿に外には、ナラの木の、林があり、セミが大合唱をしている。
「ジージージー、シュクシュクシュク」
カール「グガーー~グガー~」
宿の天井には、ファンが回り、扇風機がところ狭しと置かれている。
エディブ「エアコン、買おうか‥」
ソフィア「アラゴー?」
アラゴー「なんじゃ?」
ソフィア「最近、新聞読んでいて思うの、物価が、上がりかけているわ」
アラゴー「う~む、不景気なのかのう?」
ソフィア「どうやら、そうじゃ、ないみたいなの」
アラゴー「どう言うことじゃ?」
ソフィア「工業技術の、担い手が、その技を封印しているらしいの」
アラゴー「ふ~む」
ソフィア「なら、アラゴー?」
アラゴー「なんじゃらほい?」
ソフィア「エンデの話、知ってる?」
アラゴー「知ってるも、何も、全自動機械なら、有名じゃ」
「前時代、エンダーが作ったと言う」
「農産物から、お菓子、パンまで、すべて、全自動で作ると言うアレじゃ」
「技は、現在は、封印されておるがの」
ソフィア「ええ」
「私の、ふるさとの話なの」
アラゴー「んっ?どう言うことじゃ?」
ソフィア「私の、村に、まだかすかに、残っているの。全自動機械が」
アラゴー「ええー~!! 今も存続しとるじゃと?!!」
ソフィア「今度、カールにも、話してみようと思うの」
すやすやと、寝ているカール。
遠目に見る、ソフィアと、アラゴー。
ソフィアと、アラゴー、カール一行の馬車は、ミサハマに向かい走っていた。
南西に向かい、一万二千キロの長旅だ。
馬車はひた走る。
ガラガラガラガラ
夏の、陽気をかき分けて。
外の景色はゆっくりと流れる。
遠方に見える、深緑の山は連なり、ポカポカとした陽気に晒されて、青と白の、空が無限に広がる。
のどかだ。
ガラガラガラガラ
馬に鞭を入れるアラゴー。
アラゴー「な~が~い、旅~じ~は、太陽と~と~も~に、エセリアの~だい~ちを~ぐる~ぐる~と~雲は~流れ~鳥は~うた~う~」
ファ 上ド 上ドシャープ 上ド ラシャープ ソ 上ド ×2
long travel sun friends land ESLIA。 Plateau around the world swim cloud song bird
ホロの中は、影になり、風を含み、意外に、涼しい。
ホロの中で、話し込む、ソフィアとカール。
「魔物とはいえ、もう殺すのは疲れたよ」
「じゃあ、どうする? カール?」
「父王、アリエルの気持ちが今では、少しわかるんだ」
「農業をやってみたい」
「成長したわね、カール」
「&%$#~」
聞き耳をたてる、アラゴー。
「わしゃ、食べるのが、専門じゃ」
カール「でも、なんで、ミサハマに向かっているんだ?」
ソフィア「カール、聞いて欲しいことがあるの」
カール「うにゃ?」
ソフィア「カール? 聞いたことある? 全自動機械?」
カール「うんにゃ?!」
ソフィア「カールは、次期、一国の国王」
「お父さんに、伝えて欲しいことがあるの」
「私たち、エルフは、中立、非戦」
「ドラゴンの時代から、農業を営んできたわ」
「ある時、科学者、エンデと言う人物が現れたの」
「エンデは、農業の仕方を、教えて欲しい、有機農法も、自動農法に、置き換えられるかもと」
「私たちの、祖先は、エンデと研究したらしいの」
「農業する、無人機械を」
「結果、成功したわ」
「今は、エルフの里と、ソホンの山畑で、実験を繰り返しているの」
「それで、ソホンの、博士の所に、一緒に、行こうと思うの」
カール「えっ? ミサハマへ向かっているのじゃ?」
ソフィア「ええ」
「でも、その前に、ミサハマの、スーパーコンピューターで、全自動機械のことを調べるのが先だわ」
カール「うにゃ、それで、ミサハマへ」
ソフィア「そう」
「ソホンの博士の所には、無人機械があるの」
カール「ソホンには、後で?!」
ソフィア「そう」
「それで、全自動機械の、復刻が、また、一つの手になるかもしれないと」
カール「えー~」
「機械が、みんなやるのかあ?!」
「でも、とほほ、また勉強かあ‥」
ソフィア「ええ、そうよ」
「確かに、父アリエルも、老体に鞭打っているからなあ」
ソフィア「ふふっ」
カール「確かに、労働が、助かりそうな‥」
「でも、長旅だあ~!!」
ソフィア「ふふ」
アラゴー「な~が~い、旅~じ~は、太陽と~と~も~に、エセリアの~だい~ちを~ぐる~ぐる~と~雲は~流れ~鳥は~うた~う~」
ファ 上ド 上ドシャープ 上ド ラシャープ ソ 上ド ×2
long travel sun friends land ESLIA。 Plateau around the world swim cloud song bird
馬に、鞭を打つ、アラゴー。
陽は昇り、また沈む。
繰り返し、繰り返し、100日過ぎた頃に、ミサハマは見えてくる。
街路樹が、整然としてくる。
歩行者が、増えてくる。
整然と敷き詰められた、タイルと、舗装道路。
整備されたガーデンと、街路樹。
ミサハマの、アカデメイアまで、すぐそこだ。
向こうに、巨大な、スクエアの、建物が見えてくる。
カール「着いた~~!!」
アラゴー「久しぶりじゃのう」
ソフィア「お疲れさま」
正面の建物を抜け、一行は、左の棟に。
コンフォーターポリスの、右の棟、ライブラリーから、左の棟にさしかかる。
エントランスから、入る、冒険者一行。
フロントガール「今日はどういったご用件で?」
カール「エンデの時代の、全自動機械について、調べたいんだ」
フロントガール「わかりました」
「セキュリティーレッドの、フロアですね」
「どうぞ、こちらへ」
足音のたたない、カーペット。
薄暗い室内の中。コンピューターの点滅する光だけが見える。
フロア中、一面の敷き詰められた、サーバ群。静音で、ブーンと唸っている。
敷き詰められたタワーサーバは、一フロア20000。12階。
エスカレータから、各階に敷き詰められたコンピュータサーバが墓跡のように見える。
カール「久々の、エアコンだ~。ゾクゾクするなあ~」
8階から20階まで、円形のリフトエレベーターに乗って、上がって行く、冒険者一行。
20階から、登りね。
再びゲートがある。
動く天井のカメラ。
センサーにカードを軽くタッチする、冒険者たち。
グリーンのランプが点る。
フロアガール「セリア」
「どうぞ、こちらへ」
10mの螺旋階段を上ると、フロアが横に開き、21階が見えてくる。
21階のフロアは、広大な、ワンフロアになっており、中央にコンピュータが置いてある。
巨大なフロアを、取り囲む、窓からは、外の景色が美しく、うつる。
ガラスに囲まれ、上空の、雲と一体になった気分だ。
閉まる、床のフロア。
フロアガール「こちらへ」
中央にある、空間パネル式コンピューター。
ソフィア「ついたわ」
カール「前回は、ノイズが出たからなあ」
アラゴー「今回は」
システムガール「ラングエッジは?」
ソフィア「ラスコール、ハイエンシェントワードで」
パネルに、セリアの文字が出る。
パネルに、クエスチョンキーワードと出る。
ソフィア「いくわよ」
パネルキーボードを、ブランドタッチする、ソフィア。
「エンデ、光の帝国、無人機械、全自動機械、設計図」
アクセスエラー ファルス。
赤い点滅が入る。
ソフィア「あっ!」
各国の王の、コンピューター室で、アラームが鳴る。
各国の王、大使に、連絡が入る。
誰かが、全自動機械のデータに、アクセスしたと。
各国の王。
「誰だ!!」
「ふむ」
「なるほどな」
「バカな!」
「その手があったか」
「殺せ!」
「‥‥」
所は変わって、ソホン。
賢人会。
スイートルーム
コンピューターのアラームが鳴る。
「誰だ!?」
モニタに、ミサハマの、中央コンピューターが映る。
「ソフィア王女?!」
パスワードを入れる、長老。
グリーンのランプに戻る、コンピューター。
セリアの文字がでる。
ソフィア「よかった、戻ったわ」
カール「びっくりした~」
コンピューター上に、データが出てくる。
光の帝国。ドラゴンの時代の後、現れた、高科学文明。
創設者 エンデ。
エンデ、天然奴隷の子。
ラスコールの、光の竜の女王に、育てられる。
英才教育。
アンドロイドを造る。
亡命。
エルフの里で、農業用全自動機械を作る。
亡命。
情報機密用、科学兵器。ロイド博士と、メカインセクトを作る。
亡命。
パン、お菓子、食料品、全自動工場を作る。
レラーナ建国。
ユトを初代大統領とし、通貨発行。
ミサハマ建国。
生涯を終える。
文言、「開ける知」
光の時代。全自動機械で、科学の粋を極まる。
人間は、女性化し、子孫が育たなくなる。
設計図。
新大陸と、ハインリヒに、割り符(符号)が分けられる。
新大陸。
ソホン、賢人会。
ハインリヒ。
イオ、賢老会。
お互いに承認必要。
ソフィア「なるほど」
カール「結構、出てきたね」
アラゴー「こんな事になっとったとは、思った通りじゃ」
ソフィア「今は、まだ、全自動機械には、用はないけど」
「博士に、会いに行こう」
カール「うにゃ!!」
口ミサハマ学園都市内。
夕刻。
宿屋。
ソフィア「今日は、ここに泊まりましょう」
アラゴー「そんなことより、飯じゃ、飯じゃ!!」
カール「腹減った~」
夕食もすみ、ソフィアと話になる、カール、アラゴー。
ソフィア「でも、博士、偏屈で、あまり、人と話さないの」
カール「じゃあ。どうやって?」
ソフィア「ええ、博士。大の昆虫好きなの」
カール「えっ? 昆虫?!」
アラゴー「そういう、ことなら、わしも手伝おう!」
「わしも、子供の頃からの、昆虫採集の腕に自信があるんじゃ」
ソフィア「食べる方でしょ」
アラゴー「グフフ」
カール「よかった、アミ買ってくるよ」
かくして、ソホンに行く前に、山奥の、博士の、研究所に行く前に、ミステックビッグフォレストミラソーサの森で、昆虫採集をしていく一行。
「カール、一緒に、昆虫を探そう!」
アミを持って、カールとアラゴーの珍道中。
「イテッ! ハチに刺された」
「あんまり、動き回るからよ」
「ヨーロッパミヤマ! ヨーロッパサイカブト!」
「うわっ、なんだ、これは、ヘラクレスオオカブトだあ!!」
「なんでじゃあ!?」
「そりゃ、ほいっ! そりゃ、ほいっ!」
カゴがいっぱいになる。
カール「20日、持つかなあ?」
日はサンサンと、照り輝き、草はらに、生えた名もなき花は、伸びをしている。
まどろみの中、ポカポカとした陽気の中を、丘陵列車は、ガタガタと、走っている。
なだらかな、丘を越え、いにしえの都、ソホンに入っていく。
白亜の建物が近づいてくる。
白い壁は、太陽の光を反射し、黄色を帯び、温かい。
壁は、年月の、雨風で、風化している。
駅舎だ。
鉄道を降りると、山岳バスに乗り込む。
アラゴー「こりゃあ、思ったより、オンボロバスじゃがあ」
ガタゴトと丘陵地を走っていく、バス。
バスの中で、歌を歌う、ソフィアと、カール。
ケープシカの曲(エーデルワイスのような)を、ハミングする。
アラゴーは、あくびをして、うたた寝をしている。
山頂の、停留所に着く。
アラゴー「ここからは、歩きじゃ」
ソフィア「そうよ」
カール「&%$#~」
カール「それにしても、のどかな所だね、ソフィア」
ソフィア「そうよ」
アラゴー「ガハハ」
しばらく歩くと、山頂部に、ひらけた、草原が出てくる。
風に揺れる、山野草に、高原花。
カール「こんな所に、研究所が?!」
ソフィア「もうすぐ、着くわよ」
遠くに、白い建物が見えてくる。
その前は、山畑の、ビニールテントがたくさん張っている。
よく晴れた日だ。
風になびくテントは、太陽の光を反射して、美しい。
テントの下には、ぶどうの、木と、テントに沿ってのつたが伸びている。
その下に、無人機械が、動いている。
無人機械のカメラが光る。
パネルに、ぶどうの、3Dデータが表示される。
ぶどうの実の切り落としを、赤く表示される、パネル。
剪定アームが、ぶどうの粒に伸びる。
秒針と、共に、ゆっくりと動く、作業ロボットたち。
ぶどうの実を、間引いている。
カタ カタ コトリ パチン
カタ カタ コトリ パチン
パチン パチン パチン パチン
外には、たいぎそうに、無人耕運機が、走っている。
ガタガタ グアッシュ グアッシュ
耕作面積を、増やすのだろう。
後から、マルチを張る、無人機械がやってくる。
マルチが、風にはためく。
海のようだ。
スイカでも植えるのだろうか。
静かに、動く、無人機械たち。
カール「すごい!!」
ソフィア「いつ見ても、見事ね」
アラゴー「自然と調和しておる」
畑を見とれていると、向こうから、誰かが、歩いてくる。
博士「これは、これは、遠方を、よくぞおいでに、誰かと思ったら、ソフィア姫!」
ソフィア「ロイド博士!!」
カール「初めまして、僕、カールと言います」
アラゴー「わしは、アラゴー」
ロイド「これは、これは、ドワーフと、この方は、フィアンセかな?」
カール「&%$#~」
ソフィア「冒険仲間よ」
「博士、お土産持ってきたの」
ロイド「みんなで、捕まえたんじゃ」
博士「すごい!! アスターンリッチ!!」
「ぬうう、これは!!」
「ヘラクレスオオカブトではないか~~!!」
ソフィア「でも、博士、なんで、そんなに、昆虫が好きなんですか?」
ロイド「ああ、人間より分かりすいし、子孫の繁殖以外に、悪さをせん」
「外での話は、何より、中に入って話を」
口紅茶会
ロイド「待ってて、今、紅茶をいれるから」
紅茶を待っている、みんな。
博士が紅茶の手を止めると、博士の肩に、何やら、5cm代の、銀色の虫のようなものが飛んできて停まる。
ソフィア「あっ」
カール「!!」
ロイド「これが、メカインセクト」
カール「なんだ、このちっちゃなものは?」
ロイドの肩を離れて、飛んで行く。
「わー~、動いた!!」
ロイド「昔、エンデと、情報機密の抑止力として、作ったんだ」
ロイド「おいで」
今度は、ロイドの、手の中に、入ってくる。
カールに、昆虫のカバーを開けて、見せるロイド。
手のひらサイズの精密なメカは、歯車やギヤなど、みっしりと、メカが詰まっている。
カール「これが、兵器になったら、大変だ」
ロイド「そうだ」
「もう、終わっているんだ、大戦は」
カール「?」
ロイド「前期の対戦で、もう、作られていたんだよ、メカインセクトは」
映写機を出す、ロイド。映像を映す。
飛行機から、放たれる、空一面の、メカインセクト。
ランダムプログラムより、標的めがけて、自由自在に飛ぶ。
その、圧巻の、スケール。
無条件降伏。
ロイド「画して、戦争は回避されたとか」
カール「ふうん。そんなことが‥‥」
ソフィア「博士は、なぜ、研究者に?」
ロイド「ああ」
遠い目をするロイド。
ロイド「昔、祖父が、私が生まれた時、財産を崩して、顕微鏡を買ってくれたんだ」
「私は、嬉しくて、なんでも、研究していた」
「子供の頃より、昆虫の、解剖研究をして、図書を作っていたほどだ」
「しかし、ドラゴンの一族に、人間が、そんな高価なものを持っていてはいけないと、命のような顕微鏡を取られ」
「のち、時計工をしていたのだ」
「ある時、北欧の国から、エンデと言う、青年が逃げてきた」
「エンデが言うには、エルフの城で、農業用の、無人機械を作り終えたと」
「あとは、情報を守る、兵器が欲しいと」
「わしと、話になった」
「昆虫型の、機械を作るだと?!」
「兵器作りは嫌じゃったが、私は、大の昆虫好き」
「話にのることになった」
「昆虫兵器が、できた時には、心底、震えた」
「あまりに、強力」
「恐れた私は、エンデの残した、農業用無人機械とともに、これまで、生き残ることに」
カール「でも、なんか、このメカ、可愛いな」
ロイド「結構!」
「理論は、簡単、コンピューターで、プログラムを組むか、無線LANで、飛ぶんだよ、機械昆虫が!!」
「それからが、機械と、コンピューターの、光の時代が始まることになったのだ」
ソフィア「?」
ソフィア「博士、貴重な話をありがとう」
ロイド「いいや」
「みなさん、今日は、もう遅い、夕食を食べて、泊まって行くといい」
アラゴー「いいんかの?」
ソフィア「お言葉に、甘えましょう」
まだ、メカインセクトを見ているカール。
カール「へえ~~」
口深夜、ロイド邸。
ガシャーーン
アラゴー「んっ?何じゃ、こんな夜更けに?!」
カール「行ってみよう!」
ソフィア「裏庭の、研究所!!」
走る、冒険者一行。
そこには、研究所の、扉が割られ、散乱した、室内が。
ソフィア「博士~~!!」
血を流して倒れているロイド。
ロイド「設計図を、奪われた!!」
カール、ソフィア、アラゴー「!!」
To be continued.
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