人間に転生できる確率0.00001%!?異世界ガチャで引いた結果がヤバすぎた

湊 俊介

第1話 転生したらカエルでした...。しかも普通の

「大罪を犯したこの魂を、低級輪廻回路の計に処す。期限は己の過ちに気づけるまでとする。」


カン、カン!


無機質な音が法廷に響いた。

目の前には、赤い肌、二本の角、ピシッとスーツを着た男(?)。

……いや、もはや悪魔以外の何者でもないだろ。


「なあ、大罪って、俺、何をやらかしたんだよ?」


思わず聞いてみたが、角男は答えなかった。

でかい机の向こうで、バンバンと書類に判子を押しまくっている。


俺の存在なんか、最初からいなかったみたいに。


 


──視界が、ぬるい。


目の前一面に広がるのは、卵、卵、卵の大群。

集合体恐怖症の人なら、即アウトな地獄絵図だった。


「うえぇ……」


言葉にならない呻きと共に、俺は、その中から生まれた。


正体は――おたまじゃくし。


(え、ちょ、マジで!?)


頭も体もふにゃふにゃで、ただ水の中を漂うだけの毎日。

思考する余裕もない。完全に本能で動いていた。


 


そんなある日。

突然、どうしても「陸に上がらなきゃ」という衝動に駆られた。


水面を越え、ふらふらと上陸した俺は、水たまりに映った自分の姿を見て、叫びそうになった。


そこにいたのは、小学生のころ捕まえたアマガエル。

黄緑色の、小さくて地味なカエルだった。


(マジかよ……カエル転生とか聞いてねえよ!)


こうなったら、せめて何かスキルくらい――!


俺は空に向かって叫んだ。


「おい! 天の声! スキルぐらい寄越せー!!」


……すると、すぐに、機械音みたいな声が脳内に響いた。


【スキル:体色変化(淡黄色~暗褐色まで調整可能)】


「……それだけかよ!!」


叫び声が森に虚しく響いた。


 


いや、落ち込んでる場合じゃない。

生き残るしかないんだ、この世界で。


かつて人間だった頃、俺は確か、絶望して自ら命を絶った。

でも今は違う。

このちっぽけなカエルの命が、やたらと惜しい。


(なんだよそれ……超矛盾してんじゃん……)


 


そんなときだった。


赤い、ぎらぎらとした視線を感じた。


蛇だ。


艶やかな鱗、ぬらりとした動き。

間違いない、俺を喰う気満々だ。


体が、凍りつく。

動くな、動くな……本能が命じる。


(いける……!)


チャンスを狙い、俺は思いっきり跳ねた!


蛇の顔の脇をかすめ、水たまりへダイブ。

辛うじて、命拾いした。


「っぶねぇぇぇえ!!」


水面から顔を出して絶叫する俺。

カエルなのに、声デカい。


 


だが、安心したのも束の間。

また新たな気配が、草をかき分け近づいてくる。


猫だった。

しなやかな体、鋭い眼光。


「マジかよおおおおおお!!」


再び跳ねる。

でも、スピードが違う。

バシッと前足が振り下ろされ――


「ぐはっ……!!」


地面に叩きつけられる俺。

骨もへったくれもない体が、ビリビリと痛む。


(くそっ……動け……まだ……俺は……)


死にたくない。

こんなところで、こんな形で終わりたくない。


でも。


世界が、暗く沈んでいく。


 


こうして、俺の第二の人生(蛙)は、

あっけなく幕を閉じた。

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