第10話
第10話『【リアル脱出×コラボ企画中止】廃校の放送室にだけ、出入りが許されなかった理由』
記録:2023年10月21日/ヨウ・運営D社社員の証言/現地写真なし
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企画名は伏せておく。
某有名リアル脱出ゲーム運営会社D社とYouTuberヨウのコラボで、廃校を舞台にした限定ホラーイベントが予定されていた。
現地ロケハン中、問題が発生した。
校舎内のすべての部屋に自由に出入りできたが、“放送室”だけは例外だった。
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ヨウの撮影メモ(2023/10/20 23:48)
> 「本番に備えて、ひと通り見て回った。保健室、図書室、理科室、全部OK。
……でもなぜか放送室だけ、ずっと鍵が開かない。ってか、扉に鍵穴すらねぇ。」
「で、気づいた。職員室の机に“放送室の使用禁止について(1986年付)”って張り紙あったんだわ。
“再発を防ぐため、物理的封鎖措置を講じた”って、どういう意味?」
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D社社員・N氏の証言(録音一部)
> 「イベント用のBGM流してる最中、放送設備のアンプが勝手に切り替わったんです。
そのあと……**“今この廊下にいる皆さん、見えてますか?”**って女性の声が、校内スピーカーから……。」
> 「問題は、その音声が外部からは入力されていないという点です。社の記録機材にも痕跡がありません。」
> 「怖くなって翌日キャンセル出しました。あの音……今も耳に残ってるんです。“ワタシノメハ、ゼンブミテル”。」
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ヨウはこの件を動画化しようとしたが、D社側からの強い要請で未公開のままになっている。
(後日、そのD社のWebサイトから、当該企画の全記録が削除されていた)
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現場の廊下で拾われた放送内容(自動文字起こし・一部欠損)
> 「──せんせい、まちがえました。──ごめんなさい、もういちど、──からやります。」
「──アナウンス、がんばるから、──みてて──────」
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