息子ひとりでも大変なのに、義理の娘が三人も加わってきた件について。

ルート・メモリー

プロローグ そして、世界は白に包まれる


月が浮かぶ夜、空が裂けた。

大地が軋み、星が泣き叫ぶ夜。



その中心にいたのは──

仮面をつけた剣士。“勇者”と呼ばれし存在。

そして、三つの頭を持つ黒き番犬。



──ケルベロス。



地獄の門を護る存在。

魔王の忠実なる使い魔。

そして、彼女たちはまだ“未熟”だった。


 


『妹たち、今こそ力をあわせるのよ!!』


“紅蓮”の頭が叫ぶ。

“雷光”の頭が突進し、

“蒼氷”の頭が全力の魔力を注ぎ込む。


 


その”雷光”の牙が、勇者の胸元へ突き立つ。

弾け飛ぶのは──金の鎖。


「しまっ……た──」


 


その瞬間、世界が白に染まった。



《ジャスティス・エクスプロージョン》


それは、すべてを終わらせる正義の暴走。

“創造主”にして“勇者”たる彼が放つ、世界改変の終末魔法だった。


 


咆哮が、

衝動が、

祈りが、──光に消えた。


 



静寂が訪れる。


 



しかし──

それは終わりではなく、始まりだった。


 


遠いへと飛ばされる、黒き番犬。

その魂に宿るものは、まだ滲むような苦い記憶と、焼け残る再生への想い。


 



これは、全知全能の存在に──

“努力”と”研鑽”で挑もうとする、三姉妹の物語。


 


そして彼女たちは、まだ知らない。

この世界が、数多の想いで交錯し──


……いつか、の“選択”によって。


その運命が、塗り変わろうとしていることを。 




──『ケルベロス三姉妹』

第1章、開幕。



https://kakuyomu.jp/users/route-memorie/news/16818792436277288273


 


———————


最後までお読みいただき、ありがとうございます!


この作品は、

「息子 × 三姉妹(元ケルベロス) × シングルファーザー」という、

ちょっぴり不思議で、ハートフルな“家族の物語”です。


これからも、

ちょっと笑えて、ちょっと泣けて、ときどきバトルな日々を描いていきます。


「おもしろそう」と感じていただけたら、

ブックマークや星をつけていただけると励みになります!


これからも、どうぞよろしくお願いします!!

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