第188話 【SS】オニヤンマ【リク】

「オニヤンマが見たい!」


珍しくリクが我が儘を言った。


それでクロ・ユウト・リクの3人で、奥多摩に行った。








男は唐突に、フラッと旅に出る。


なんかそういう生き物らしい。


この男女比1:100の世界でも例外ではないらしく、ある日突然フラッと男が旅に出る。


女という囲い……檻から逃げ出す。


この世界の男は、ストレスを溜め込む傾向にある。


女にとっては冗談ではない。


男が旅先でレイプに遭ったり拉致監禁されたりするからだ。それも頻繁に。社会問題になっている。


クロ・ユウト・リクの3人もそれが分かっているから、オニヤンマを見る旅に出る前に、クロは正妻のアンナに、ユウトは正妻のコムギに、リクは正妻候補のチーム・マスカット全員に予め伝えてあったのだが、連絡を受けなかった末端が大騒ぎした。


クロ・ユウト・リクの3人が広く情報を伝えてなかったのは、女の子に「巨大サイズの昆虫を見に行く」と言えなかったからだ。


昆虫を毛嫌いする女の子は多い。






オニヤンマ。


日本で最大のトンボ。


とにかく迫力があり、見ていて圧倒される存在感がある。


つまり、カッコいい!!!


可愛いの妖精であるリク。


自分が可愛い男の子である反動か、カッコいいものに大きな憧れを持っている。


で、カッコいいトンボであるオニヤンマを見たくなったのだ。


毎年、夏になると、東京都心から奥多摩に行って1日中オニヤンマを見て楽しむのがリクの贅沢な我が儘だった。


今回はそれに、親友のクロとユウトを巻き込んだというわけだ。


問題は、女の子に内緒で行ったことだ。


置いて行かれた女の子たちが大騒ぎした。


ネットは騒然となった。


通報を受けて、警察と自衛隊と公安が動員された。


リク?


オニヤンマを見て、


「うわぁあああ、迫力満点、カッコいい!!!」


なんて言ってる場合じゃねえぞ!?





こうして、クロ・ユウト・リクの3人は、やってきた警察と自衛隊と公安に取り囲まれて、保護されて女の子たちの前に連れて行かれた。


クロ・ユウト・リクの3人は、泣いてしまった女の子たちを宥めるのに、非常に苦労したというお話でした。


チャンチャン♪



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