第14話 ユウト、ステータス測定をする

「はい、次、受付番号209……リョウタ・イデくん」


呼び出しの声に、ユウトは無言で前へ出る。


ステータス測定は、指定された「ステータス・ブース」で行われる。 そこには魔導装置と最新の生体測定システムが設置されており、わずか数十秒で、身体能力・魔力量・反応速度・精神耐性といったデータが丸裸にされる仕組みだ。


ブース内に入ると、機械音声が冷たく告げた。


《測定開始──リラックスしてください》


わずかに光る床の上に立ったユウトの全身を、淡い青い光がなぞる。

心拍、呼吸、筋繊維、神経反射──すべてがリアルタイムで数値化されていった。


---


《測定完了──》


画面に表示されたステータスは、普通の仮登録者とは比較にならない数値だった。


【身体能力:B】

【敏捷性 :S】

【魔力適性:C-】

【精神耐性:S】


係員が一瞬、目を疑う。


「──なんだこりゃ。仮登録のくせに、Sが二つ?」


本来なら大問題になる数値だった。

だが、仮登録者は正式な冒険者とは違い、管理対象外に近い。

したがって、係員はこう判断した。


「──まあ、仮登録だしな。たまにこういうバグった数値も出るし。次!」


ぞんざいな処理で流される。

渋谷の都市ダンジョンでは、これくらいの奇跡にいちいち驚く余裕はなかった。


なお、ステータス以外にも、冒険者のレベルクラスは別にある。


ユウトは仮登録の身なので、まだ正式クラスなし(ノークラス)だ。


クラス認定方法の一つとしては、モンスター大量発生(スタンピード)時の実績で決まるものがある。


ダンジョン内でモンスターが異常繁殖した際、「監督員(オフィシャルオブザーバー)」が現場に派遣され、戦場での個々の行動・実績・貢献度をチェックして評価する。


スタンピード後、数日以内に「仮クラス」が発表され、その後、正式なクラスカードが交付される。


なお、クラスは一度取っても永久ではない。

定期的な監査や、再度のスタンピード参加で昇格・降格する。


そもそも、現代の冒険者は、ドロップ品を売って生活を支え、動画配信で名声と収益を拡大する、

そんな二本柱の上に成り立っており、レベルクラスはあまり意味を持っていなかった。


それでも、やはりSクラスを超えてくると、スポンサーなどもついて、収益は爆発的に跳ねあがった。

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