最弱陰陽師は、自分にかけた呪いとまだ向き合えていない〜

はじめに

※この作品は第3部の237話から掲載していますが、この話から読んでも楽しめるように構成しています。

本編は全398話、これはその中の『春』の始まりの回です。

以下には1〜2部の要点と、一部のネタバレが含まれます。

舞台は妖怪も陰陽師も存在する東京都、東妖市（とうようし）。

鬼道楓（きどうかえで）は、どこにでも居る最弱の高校生陰陽師。

幼い頃に母を亡くし、働かないギャンブル好き（でも最強の陰陽師）の父と暮らしている。

最強の式神冥鬼（めいき）を除けば、まともに頼れる人間すらいない。

そんな彼が東妖高校のオカルト研究部で出会ったのは、美少女の先輩ハクと、ツンデレで面倒見の良い少年ゴウ。

二人は異世界常夜（とこよ）の王と女王の魂を宿していた。

人と妖怪、現実と異界。

境界が曖昧になる街で、少年少女たちは呪いと運命にのまれていく。

その戦いは、やがて大きな陰謀に繋がっていき……。

▼ そして、3部からは……。

古御門（こみかど）家との激突の末、楓は相棒の冥鬼を失い、力も名声もゼロの状態から再出発することになる。

頼れるのは、元・敵だった青年・八雲と、古御門の血を引く少年・キイチ。

「母の死の真相」「失われた記憶」「力の意味」

全てが静かに、そして容赦なく動き出していく。

季節は春。

最弱だった少年が、過去と呪いを越えて歩き出す物語。