第2話

「―――神崎かんざき、くん…?」





七原瑞季ななはらみずき、17歳。

先輩に振られた1時間後、優しい店員さん…クラスメイトに告白されました。





「―――されました、じゃねーよ。なんでよりによって、今日? 今日何だと思ってんの?」

「いや、うん。そうなの。分かってんの。」

「今日から修学旅行だっつーの! なのにこんな話、ぶっ込んでこないでよ!」

「だって~!」

私の前を歩き、横目で怒りを含んだ睨みをきかす友人、三島雪乃みしまゆきの。顔は綺麗なのに、口調があまり良くないがしっかり者で頼りになる。

「…てか、まさかつーか、何ていうか…」

「うん、そうなの。そこもそうなの。」

雪乃が頭を抱える。私は昨日から脳内がパニック状態。どうしたらいいのか分からず、雪乃に相談をしていた。


…移動中のバスの中で…。


「三島さん。七原さん。」

「…!」

名前を呼ばれて固まる。微妙に雪乃のうしろに隠れる。


だって、あの声は…


「…何?」

雪乃は、呼ばれたほうへ視線を移す。

「いや、これから班行動に変わるから、どこか行きたいところある?」

昨日と同じ優しい声で、スラリとしてて、でも華奢じゃなくて、昨日とは違う服装で、昨日とは少し違う髪型で…そう、彼は、神崎誠人かんざきまさと

私たちの班の班長で、昨日私に告白してきたカフェの店員さんだ。


「じゃあ、これから班で行動ー。集合時間だけは守れよー解散。」

担任の声を合図に班で散らばっていく。

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