第16話 次の日の夜
次の日の夜
カーンカーンカーン
ギルドの鐘が鳴り響いた
『襲撃だぁぁああああ!!!』
ルクスの怒号が町中に響き渡った
「冒険者以外はギルドの中にかくれろぉおおおお!!!」
「紫羽以下の冒険者は光線銃持って援護射撃だぁああああ!!!」
「紫羽以上は作戦通り二手に分かれてオーエン様とルクスを援護しろぉおお!!!」
怒号と命令が飛び交い、町周辺は一瞬で戦場へと変わった
「パキウスとフォトンは私じゃなくてルクスを援護してくれ。アイツの狙いはルクスの命だ、あくまで私はおまけ……私は大丈夫」
巨大な斧を背負ったオーエンが冷静に指示を出す
「分かった———でもさ、そろそろ話してくれてもいいんじゃない?誰が、何のためにルクスの命を狙っているのか」
―――俺はこの一週間ずっとこのことを質問してきたが一度も答えてもらえなかった
今回もやはりオーエンは黙ったまま答えない
「じゃぁこの戦いを生き残ったら教えてくれよ」
パキウスが食い下がると、オーエンがようやく口を開いた
「はぁ仕方がないな、生き残ったら少しだけ教えてあげるよ。ほら配置について、早くしないと死んじゃうよ」
そう言ってオーエンが背中を押してくる
「分かったよ。じゃぁオーエンも死ぬなよ」
「あったり前田のクラッカーよ」
「じゃぁ行こうか」
隣に立っていたフォトンが言うと、パキウスをルクスの所まで連れて行った
「―——射撃準備開始」
「構え!」
「撃てぇえええ!!」
ドンドンと光線銃の発砲音が空気を震わせ、無数の光が闇を照らす
「オーエン様は――」
紫羽の冒険者がオーエンに話かける
「オーエン様は戦闘員ではなく探索員だったと伺っています…それでも本当に前線に立つのですか」
「そりゃ立つよ。大切な娘たちの大喧嘩だ。ケンカの仲裁も母親の仕事だろ」
射撃音がだんだんと小さくなる中、オーエンは笑う
「それに、探索員っていってもいろんな事してたからな、武器の作成から探索まで、なんでもお手の物よ」
「太陽結晶、エネルギー切れです!」
誰かが叫んだ
「お、そろそろ私たちの出番だね、見せてやんよ私たちの本気を」
ルクスが大きく息を吸い、
「神技——ラディ・イフランゲンテース!!!」
全力で叫んだ
直後、何千何万ものビームが空を裂き、闇を貫いていった
それは星屑の雨のようにロキの軍勢に降り注ぎ、
夜の影に隠れていた大量のロキを、まるで幻想のように消し去った
ルクスが太陽結晶を強く握る
「作戦通りに行くよ!フォトンとパキウスは私についてきて!残りは残兵処理!」
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