ヴァンパイアの歌姫

MAINA

プロローグ

真紅に染まり美しく輝いている満月をバックライトに、マイナは魔力を込めた歌を歌う。


月の光を浴び、淡く発光する桜吹雪の中で────。


風にのってゆっくり流れる桜の花びらが、マイナを包むようにふわふわ舞い踊る。


その隙間から見えるのは────深い紅。


美しい桜に引けをとらない、鮮やかな薔薇のような真紅の瞳が宝石のように妖しく煌めき、世界を映す。


それは────。


である証────。


マイナが奏でる歌が世界に蔓延る《影》を浄化する。

────駆け抜ける風の音に旋律を乗せて。












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