『悪魔の黒鳥』
第4話 誘拐
んっ…ここは?なんか…車の中?揺れてるぅ~。頭の中で原=ルナが呟いていたら、隣がもぞもぞと寝返りするように動いた。
そして、原=ルナは思い出した。怪しい組織の下っ端みたいな恰好をした男に鷲掴みにされ(物理)、ブラックアウトしたことを。
あ、待って。確かモモって子も一緒に捕まえられてた気がする。つまり…誘拐だ。いや、まあ、この体は確かに美猫だし、モモも美兎だから誘拐したのかもしれないけど、周りには別に顔立ちとかは整ってないけど希少種みたいな感じで見たことない動物とかがいっぱい。
つまり、これは、オークションに出されるのでは⁉神様に会った時に見たガラスに映ったルナは美猫だからっていうのもあると思うけど、あまり見たことがない猫だった。
多分ルナも希少種なんだ…!モモは…ラインランダーというウサギの種類。テレビで見たことある。ルナは…もしかしたらターキッシュアンゴラかも!可愛いし綺麗。
「着いたぞ。トラックから積み荷を降ろすぞー!手伝えー!」
「あいよー!」
覆面の男が二人トラックの運転席から出てきた。
積み荷?トラック?マジ?
「よいしょっと。お、この猫結構綺麗だぞ」
「うお、マジじゃん。俺が買いて~」
「無理だろ、絶対高いぞコレ。よし、檻に入れるぞ」
コレとはなんじゃオラ!まあ?高いっていうのは当然だよね。私、綺麗だし。
ふふん!
そう思っていると、大きい檻の中に入れられた。当然(?)、モモちゃんもいる。それと、綺麗な黒色の猫と、神秘的な雰囲気の
檻メイトというのは、今私が作った言葉で、「クラスメートならぬ檻メイト」って感じのやつ。
「あの~。ルナさん?ここ、どこですか?」
「わかんない…。モモちゃん、多分だけど、ここはなんかの組織の闇市場かオークションだと思う」
「なんですかそれ」
「闇市場っていうのは、悪い物とか、人間の法律を違反している違法な物を売買する市場の事。オークションっていうのは、販売目的で会場などに出された物品を、最も良い購入条件を提示した入札希望者に売却するために、各々の買い手が提示できる購入条件を競わせることであ~る」
「長いですね」
「すまん」
確かに、長い。だが、これ以上省略のしようがない。つまり、しょうがない。以上!解散!
いや、まあ、捕まってるから解散できないんだけど。そういえば、私達捕まってたんだわ。忘れてた!てへぺろっていうの?テヘ!
「おーい、白猫さーん?ここどこですか?」
「知りません」
大量の猫が…私にべったりくっついているからな、私の猫かぶりは完璧じゃっ!
「あ、そうですか。すいません」
誰だ、誰だ。名前なに?何の種類?どこ産まれ?
原=ルナは沢山質問した。
「種類は知りません。ちなみに元人間で、朝起きたら猫になってました。名前は山田です」
「え、うちも元人間…ですわ。オホホホホ…。ボクは朝起きたら転生してた…って、ん?山田?」
もしかしたら、同じ学校の山田さん?本物?宮城県から福島県まで自転車で209.6㎞を5分で走ったあの?
「え、あの、原穂香って知ってます?」
「原穂香…同じ学校だけど。え、白猫さんって原なの?」
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