序章1-Ⅱ

その者が叫ぶ。




va「タカノメェ!!!」

「出てきやがれ!!」


「お尋ねモンは俺がとっちめるぜ……」

「でてこいよ」







風が吹く。




先程まで静かだった森が

呻きを上げる




まるで、

何かが始まる予感を叩き付ける



そんな音が響く





『タカノメ』と呼ばれるなにかは

はるか頭上、暗い木の上から

見下ろしていた




lu「居たな」




「……なんのようだ!」

「私の事を、知っているんだろう」


va「聞こえねーな!!!」

「はっきりしゃべりやがれよ」

「姿を見せな!」



ヴァンの声はよく響く。



対して鷹の眼とよばれる側の声は

擦れるほどに、小さい


吹いている風の影響もあるだろうが


それにしても、だ。







lu「速いな」



一瞬にも思えたが

『それ』はもう目の前に居た



va「只者じゃなさそうだなぁ??」



ヴァンは不敵な笑みを浮かべた









「帰って」













次の瞬間。



二人に容赦ない風が吹き付けた!!

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