第14話 萌ちゃんは可愛い凪の親友らしい
《桐生家 士郎の部屋》
「しかし。なんで、あの娘は小鳥遊さんの事が話せないって言ったんだろうか?」
▽
(話せない?)
(そう。それはあの娘がちゃんと自分自身の口から言うのが正解だもの……それじゃあ。ボクはそろそろ行くね。少しだけど話せて良かったよ。柊の彼氏君。バイバイ~)
(あの娘。学校の制服で入っていたけど大丈夫なのか? つうかR18コーナーに入って……今のは見なかった事にして忘れよう。関わるとまた変な間違いが起こるしな)
▽
そして、現在。俺は本屋で買ってきたフリーレインの最新刊を読みながら、
「……スンッ……あー、今回も感動させてもらったわ。フリーレイン。ありがとう。後で凛にも貸してやるかな」
最近は、
「しかし、昼のあれは少しやりすぎだか? いやいや。小鳥遊さんにはあれ以上の事をされているんだから、あれくらいやり返したって文句は言われまい……」
俺が1人で自問自答を繰り返して。ボーッとしている時、俺の部屋の扉が
ガチャッ!
「士郎! あの本屋の出来事はどういう事なのぉ?」
「……スクープ。スクープ。パシャパシャ」
扉を勢い良く開けて、幼馴染みの凪とご近所の
「凪と
「……ピッキングしました」
「わー、犯罪~、でも。凄い~」
「お前等に常識はないのか? とりあえずお前等の動きを封じさせてもらうからな」
「「へ?」」
とりあえず。いきなり俺の部屋に入ってたアホ2人の手足を縛り。俺に接近して来れないように適切な距離を取った。
何でだって? コイツ等は昔から俺の身体に平気でくっ付こうとしてくるから、最近は動きを封じてから話を聞くことにしているんだ。
◇
「ぐぎぎ……外れない。それに何で私達と一定の距離を取っているの? 士郎は!」
「……撮影機材も没収された。酷い」
「あのな、俺達。もう高校生なんだぞ。小学生ならいざ知らず。この年になってあんな過度なスキンシップをだな…」
「……でも士郎。一週間前、私とお風呂入った」
「は? 何それ。初耳なんですけど?」
「ぶほっ! いや、あれはお前が妹の凛の振りをして、怪しい事をしてたからだろうが」
不味い不味い不味い。また、話がややこしい方向に進んで行く。あれは単なる鉢合わせ事故だったろうが。つうか何で人ん家の風呂を普通に使ってたんだよ。この
「……でも士郎。まじまじと私の裸体を見…ムゴ」
「はい。ストップだ。それよりも本題に入ろう。何で? こんな夜の19時に俺の部屋に突撃して来た? それをちゃんと答えてもらおうか」
「あー、話を反らした」
「反らして無い。反れそうになったから本題に入っただけだ」
コイツ等に振り回されては駄目だった。こっちが無理矢理でも、本題の
「ナッちゃん後でその時の話詳しく教えてね?」
「……OK。士郎の写真もプレゼントする」
「ちょっと待て、俺の何をプレゼントする気だ?
「い、いちゃもんって……しょうがないわね。単刀直入に聞くけど。今日の放課後、何で
「……それと
バタッ!
「む、酷い。ナッちゃんわ何だと思ってるの?」
「捕まって無いだけの盗撮者だ。それに数分後にけろっと起こるだろう。それで何? 西蓮寺さんとの事だけっ?」
「そ、そう。それよ。
「だまらっしゃい。妄想少女凪」
「ウムムグムウ? (妄想少女凪?)」
しかし、凄いよな。コイツ等、毎回、俺の話にツッコミを入れて来やがる。お笑いのバイタリティーありすぎだろう。
「あー、本屋での
「プハァー、自室かこんな美少女2人を縛って監禁してる男の言葉なんて信じられないわ。だから…」
「ああ、全てはお前等の自業自得と自爆の
「だから。直接、
「いや、お前。何、やってんだ。凪…」
俺はそう言って凪の方を見ると、器用に足でスマホを持って操作している。相変わらず。器用な奴だな。ん? 呼ぶ? 来なさい? コール…は?
プルプルプルプル……ピッ!
「もしも、
「あー、たまに入るよな。見た目と下の名前で、結構印象違う人って。確か
ガチャッ!
「くっ無いから! ボクの名前。可愛いくないからね。桐生君!」
「あっ! 来た。ヤッホー、
「……
夏の奴。もう起きたのかよ。いやそれよりも、何で速攻で家に現れたんだ? この可愛い私服姿の
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