第24章:姉の事故の受け入れ

アートフェアの成功を祝い、悠真と美月はロンドンのホテルで静かな夜を過ごした。部屋の窓から見えるテムズ川の光が、まるで湖畔を思わせた。美月は悠真に、遥との対峙を振り返った。


「悠真、わたし、初めて、遥さんにちゃんと立ち向かえた。君のおかげだよ」

悠真は彼女の手を握り、静かに言った。


「美月、君が強かったんだ。俺も、君のおかげで、姉貴の事故、ちゃんと受け入れられた」

悠真はバッグから一枚の写真を取り出した。姉の事故現場の写真。雪に覆われた崖、壊れた車の残骸。彼は震える声で語った。


「この写真、ずっと隠してた。姉貴を失った痛みを、封じ込めたかった。でも、君と一緒に作品作って、過去を昇華するって、こういうことじゃないって気づいた。姉貴は、俺の心の中で、ずっと生きてる」

美月は写真を見つめ、涙をこぼした。


「悠真、君の姉さん、きっと、君の写真、愛してるよ。君が前に進むの、喜んでると思う」

悠真は彼女を抱きしめ、泣きながら頷いた。

「美月、ありがとう。君がいて、俺、救われた」


その夜、二人はホテルのバルコニーで、川の光を見つめた。悠真の瞳に映る美月は、過去の傷を乗り越え、愛で輝く人間だった。美月の瞳に映る悠真は、喪失を受け入れ、未来を描く人間だった。二人の絆は、試練を経て、かつてないほど強くなっていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る