第2話 二度目の人生、俺は正しく生きる
ここでは、冒険者としての職能は「魂の資質」によって定められる。
田所浩二――転生者である彼も、ギルドに登録することで職業を与えられることになった。
「魂の鑑定……結果は……『聖騎士(パラディン)』……か」
受付の女ギルド員は、予想外といった顔で鑑定結果を見つめる。
「あなた、前世で何か強く悔いていること、ありますか?」 「……ああ。あるよ」
その職業は、「祈り」と「誓い」で力を得る、最も信仰心と誠実さを問われるものだった。
「なら、あなたにはきっと務まります。聖騎士は――“信じる強さ”の職ですから」
ギルドカードが発行される。
名前の欄には――田所浩二としっかり刻まれていた。
「……隠す必要はない。これは、俺の罪であり、誇りだ」
――ギルド掲示板前
「新規加入歓迎! 前衛職募集中!」
「ヒーラー以外なら誰でも可! 報酬均等分配!」
壁一面に張られた、冒険者たちの“パーティー募集”。
その中で、ひときわ丁寧に書かれた紙が目を引いた。
【パーティー名】〈白銀の楔〉
【募集】盾役(前衛)、もしくは聖職者歓迎
【方針】依頼達成重視/無理な戦闘なし/仲間を見捨てない
【リーダー】リリエル・マーレス(聖職者)
【備考】初心者も歓迎。信頼を大切にできる方を。
田所はしばしその文を見つめると、静かに紙を剥がして受付へ向かった。
「このパーティーに参加希望だ」 「〈白銀の楔〉ですね。面談の上で判断、とのことです。会ってみますか?」 「ああ。信頼を大切にするって書いてある。それなら……きっと間違わない」
こうして、田所浩二――異世界にて新たな生を得た男は、
**“仲間”**と呼べる存在と、初めての一歩を踏み出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます