高嶺のあの子は僕にだけデレデレ

wkwk-0057

プロローグ

ある男子は机に身を寄せ合いながら声を潜め友達に話している


ある女性は教室の角でわざとらしく相手に聞こえるぐらいの声量で陰口を。


そして真ん中にポツンと座っている生徒。その生徒が注目の的だった。

理由は明白、彼女が綺麗だったからだ。艶のある白髪、吸い込まれそうなほど澄んでいる蒼の瞳。

所謂、日本に来た外国人という所だ。


彼女が来た時はクラスがシンと静まり返った。男子は喜びで、女子は嫉妬で。


男子が思う。「あわよくば、友達になれるのでは?」と。

だが、それは桜の花びらのように儚く散った。彼女は冷たかった。

真冬の中かき氷をたらふく食うぐらい冷たかった。


そしてついたあだ名が【氷姫】



―――――――――――――――――


そんな彼女は今現在、僕の膝の上に頭を乗せ寝ている。

何故こうなったのか理解はできない。

ただ、彼女が言うには「そこに枕があったから」だそうだ。


彼女は寝顔でも美しかった。


ここは部室。バイク部と言う名目上、バイク好きが集まる部だが、今では人がおらず活動はしていない。


キーンコーンカーンコーン

というチャイムの音が聞こえ彼女は起き上がる。

彼女は

「ふわぁぁ……」

と、大きな欠伸を吐き出し伸びをする。

どこか猫のように見える。


そして僕は

「では、授業が始まるのでサヨウナラ」


と逃げるように飛び出して行った。



正直を言うと彼女のことが僕は怖い。何を考えて僕といるのか、何を理由に他の生徒に冷たくするのか、分からない。


後ろを振り返ると、丁度彼女、アリスが扉を開け目が合った。


彼女はニコッと微笑んだ。


僕は時が止まったかのように感じた。


そんな僕を突き動かしたのは、2人の生徒だった。

2人の生徒が僕にぶつかりそのままアリスの方へ行ったのだった。



聞き耳を立てて居ると、

男子生徒が

「放課後カフェ行かない?」

とナンパ……していた。

彼女は

「は?誰があんたなんかと行くのよ。自惚れるのも大概にしなさいね」


と真冬の中でかき氷をたら(ry

冷たい言葉で突き放した。


因みに2人の生徒、は学年の中でもトップを争うぐらい顔が良い。うん。顔だけ。




やっぱり僕はアリスの事が怖い。

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