…おなかすいたなぁ。さいごにちゃんとしたごはんたべたのって、いつだったかなぁ。

 おうちにはいりたいのに、だめっていわれる。なんでってきいたら、おにいちゃんがいるからっていわれた。おにいちゃんがいるなら、いっしょにいたいのに…

 でもかってにいえにはいったら、またたたかれる。うでのいたいところ、ちょっとなおってきたから、もういたいところふやしたくない。

 まいにち、おかあさんがつれてきたおとこのひとがかえってきたら、ちがうおうちにつれていかれる。でもいやなことされるから、いきたくない。

 おにいちゃんと、いっしょにくらしたい…ふたりだけで、どこかにいきたい…


『凛…りん』

「…おにい、ちゃん?」

『そうだよ、久しぶりだね』

「おにいちゃん!おうちからでてきたの?」

『うん。1人にしてごめんね…』

「りん、さみしかったよ…?おにいちゃんいないと、かなしい…」

『…お兄ちゃんと、一緒にいたい?』

「うん…いっしょにいようよ、」

『…そうだね、一緒に行こうか。2人で、楽しく過ごそっか』

「…いいの?いっしょに、いてくれるの?」

『もうずっと、一緒にいるよ。ほら、おいで?』

「…うん!」


 おにいちゃんの手、あんまりあったかくないけど、やっぱりやさしいなぁ。


 これから、ずっといっしょに…


 おにいちゃん……

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