送らない手紙たち

いい、いい

この手紙は別に送らないから


いい、いい

可哀想だけれど、

この子たちに終着点はないのだから


いいから、いいから、

これはただの私の自己満足だから


ごめん。ごめん。

滅多にしか外に出してあげないのに、

急に奥っ底から引っ張り出してきて


ごめん、ごめん、

痛かったでしょう

ごめんね、ごめんね


もう誰も手紙を欲しがらないんだよ

でも、過去に囚われて

というよりも、故意に囚われ続けて


私は今も書き続けている


でも、

それが1番、

自分と対話できる方法だから


あの日思っていたこと

綴った手紙《ページ》を

また開いて


成長したな、

いや全然

なんて、自問自答を繰り返せば、

私はまた幸せに包まれて

大人にいっぽ

近づくことができる気がするから

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る