第11話 変な丁寧言葉


 キリキリキリ

 限界までネジをしっかり閉める。

 歌い終わったねじこの様子はあからさまに落ち着いていた。

「ごめんね?色々連れ回しちゃって。混乱させちゃった?」

 フユミが申し訳なさそうに言う。


「ごめんなさい。」

 先程まで情緒不安定嬢ちゃんだったのが、いっきに普通になった。逆にこれも不安定の一環ではあるか?

「こんなに私を心配してくださってまして本当にありがとうございます。」

 なんか変な丁寧な言葉を使っていること以外はちゃんとした小学生って感じだ。


「私のことを説明します。じゃないとこれから先助けてもらうのに失礼ですから。」

 なんかこれから先の事も勝手に決められたことは置いておいてフユミは当然だと言う顔で聞いている。俺はまだネジのことで頭がいっぱいだ。

「私はロボットです。人間じゃないんです。」

「えぇー!」

 フユミはそんなこと考えたことなかった見たいな反応をする。

 

「あぁ……」

 俺は90%納得していた、墓場でのこと、今日のネジのこと。ロボットだと結論付けなかった自分に逆に驚く。

「この頭のネジは感情を抑えて……て……んにゃ」


 急に寝始めた。


「まぁ無理ないな、こんな時間だし。」

「え?!やばいぃ帰らないと!」

 フユミが慌てて出る準備する。

「バイバイ!明日迎えにいくね!」

 静かにねじこに語りむにゃむにゃと応える。

 俺に手を大きく振ってドアを開けるとこのホテルにいることを忘れてたのだろう。少し出るのをためらって意を決したようにバタバタと出ていく。


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