第5話:休日の2人とゲーム2
結局逆転なんてなく、かざりがゲームに勝利と思ったら、CPU(つよい)が怒涛の勢いで追い上げて、何故か優勝を持って行ってしまった。
「「…………」」
お互い顔を見合って、困惑した雰囲気にどうしようかなと悩んでいると、かざりがこちらに近づいて、突然俺の耳元に囁いた。
「……昇。一緒にご飯作ろ。」
「あっ、もうそんな時間か。そうだな。一緒に作るか。昼だし、パスタでいいか。」
「ん。じゃあ、サラダ作る。」
「おぉ、頼むよ。カルボナーラでいい?」
「ん。」
「分かった。じゃあ、作ろうか。」
かざりの提案を受けて2人で料理をすることに。ただ、耳元でささやくのは心臓に悪いからやめてほしいなと少し思ったり、こそばゆく思ったり。まぁ、心に閉じ込めておこうか。
そこからは、淡々と、料理を始める。お互い無言と言う訳じゃ無いが、集中しているもので、話す内容もただ、調味料取ってとかそんな感じの簡潔な内容だけ何で、割愛って言うことで。
「「できたぁ!!」」
珍しく揃って大きな声を挙げて、料理ができたことに達成感を覚える。カルボナーラと、サラダとスープ。テーブルに並べて揃っていただきますと言ってご飯を食べ始めた。
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「そういや、課題やってないな。やるか。かざりは、課題終わってるか?」
「………」フイっ。
「お~い。かざりさんや。流石に逃げるのだけはアカンすよ。」
「ダメ?」
「やるぞ。課題多いんだから。つか、コツコツやってればすぐ終わってるはずだぞ?」
「………全部、残ってる。」
嘘だと、この時は言ってほしかった。
「じゃあ、やるぞって、逃げるな逃げるな。」
「ん、これは……戦略的逃げ。」
「だとしても、俺は自動的に課題をやってくれる装置じゃないからなぁ~。ちゃんとやろうなぁ。」
「むぅ。なら、取引。」
「取引?なんだそれ。言ってみてよ。」
「課題1つ終わるごとに、私がやってほしいことをやってもらう。昇に。」
「課題やる以外だったらいいぞ。」
かざりの提案にすこしだけ、戦々恐々とする俺。かつて、かざりは一回ヤバいことを申したことがある。課題1つ終えるごとに俺に1キロのランニングを課すこと。結果、夏休みの最終日に俺は、フルマラソンをする羽目になった。まぁ、趣味にランニングが増えたからいいんだけどさぁ。あの時台風来て大変だったんだよなぁ(遠い目。)
「……じゃあ、課題1つ終えるごとに、頭。」
「ん?頭?」
「撫でて。それと、抱きしめて。」
「???おぉう。分かった。じゃあ、やるか。」
そうして、かざりの課題消化戦が始まった。
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~3時間後くらい~
………妙だな。俺は、かざりの頭を撫でて、抱きしめているはずだったんだよ。いやまぁ、何個か課題が終わった後にそんな感じではあったよ。なんだけど。
何で、俺の膝の上にかざりが乗っているんだ?
「あの~かざり、さん?」
「ん。どうしたの?」
「いや、どうして俺の膝の上に乗っているのかなぁ、って。」
「ん、義務。」
「ぎむ……ギム…………義務っ!?ドユコト!?」
う~ん、理解をすることを拒むんだけど、聞いてみようかな。と思ったら、かざりが話始める。
「昇は、私が課題を終えたご褒美として。」
「あぁ~、その延長線上ってことでいいのか?」
「ん。」
「まぁ、いいか。だけどな、かざり。一つ言っていいか?」
「何?」
「課題、10個中2個しか終わってないんだよなぁ。やるぞ。日が暮れたら明日になって、先生に怒られても知らないぞ?」
「…………分かった。」
めっちゃ、渋ったけど、了承して、俺の膝から離れたかざりは課題を始めた。そこから、時間は経過し翌日。
「おい!竜胆!!どうして、小笹の課題が終わってないんだ!!」
「えぇ~。」
何故か、監督責任で俺が起こられたとさ。理不尽って、あるよなぁ~。泣きたい。
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