第7話、安芸の戦い(前戦)
さてと何とか予定通りに軍備も整えたことだし早速、作戦を開始しますかとしてまずは部隊を分けて敵の城に進軍しているように見せかけてもらう事にした。
そしてその連絡をしやすいように自分はその間に自分が率いる百人を引き連れて移動をしてきた。
右側には吉田政重と副将に小喬が率いる300人の兵士たちと左には狐春が率いる300人を引き連れて進軍をしていた。
合計700人の軍勢に見えるが距離が離れているのでそうも感じずにこれは好機だと考えて物の怪たちが襲ってくるはずだとして構えていた。
襲われるとしたら恐らくこの辺りになるだろうからそう考えて作戦も考えていた。
そして上手く敵に計略が成功したら山崎城を守っている残りの400人の内、200人ほど引き連れて戦いに参加をして包囲して殲滅するつもりである。
そして残りの200人と河野健殿で一時的に城を守っていると言う事になる。
まあ、城の守りが間違いなく一番安全で一番危険なのは囮の部隊、即ち自分の部隊である。
間違いなく敵の集中砲火を食らうことになるのだけどそれも一応、対策済みで出来る限りに損害を出さないように立ち回るつもりだ。
まあ、この日の為に頑張って準備をしてきたつもりだからなと思っていると偵察兵から敵物の怪の姿が見えてきましたと言ってから数を報告してきた。
その数は予定していたよりも数が多く予想よりもかなり多くの敵が集まってきてくれたなと密かに喜んでいた。
これならば本当に一気に土佐中部も勢力拡大できるかもしれないぞと思っていると兵士たちに作戦通りに行動するように命令を下した。
すると兵士の一人が心配そうにして本当に大丈夫なのですかと聞いてきたので自分は大丈夫だから早く行動をしないと自分と共に多くの物の怪たちに包囲をされてしまいますよと言うと兵士たちはご武運をと言ってから行動をしてくれた。
全くも心配してくれて本当に頑張って良いなと思うな・・・さてと、これからがこの作戦の一番の山場だとして覚悟を決めて構えていた。
そうしていると多くの物の怪たちが自分を包囲するように囲い込んでから上手く包囲されたなと思っているのと同時に妙に連携とか指揮系統がしっかりとしていると感じた。
もしかしてこの土佐を支配している物の怪の主が来ているのかもしれないと感じて警戒をして構えているとある笑い声が聞こえてきたのであるがそれは何度も対峙した事もありすぐに理解をした。
そうして物の怪たちの群れから大きな影が現れて出てきたのは土蜘蛛であった。下国の中では正直に言ってハズレだと言うばかりの存在で明らかにこの下国を守っているにはあまりにも強過ぎるのである。
その為にそれがいると分かっていれば他の所に向かうほどの人が現れるほどに結構やばい存在なのであるが自分からすればかなり美味しい展開だ。
これほどのものを倒せるようになれば間違いなく土佐は安定するし自分の名前もある程度に上がることになるだろう。
そうすれば他のプレイヤーから敵対されてもここに攻めてくる心配はなくなるというものだ。
そう考えると別にこれはピンチではなく好機だと捉えることが出来る、それに土蜘蛛はこの和華大戦で昔から設定をされているが本当に一騎打ちが大好きなのでもしかしてこの状況でも・・・・・
「そこにいるのがこの前、山崎城を奪い取った敵の大将だな。この俺様と一騎打ちで勝負をしろ!!」
「なるほどこの土佐の国を支配している敵の大将ですね。宜しい、大将同士で一騎打ちを致しましょう!!」
そう言葉を返した、これは実に良かったかもしれない。自分の場合は最悪、時間を稼ぎをすれば勝利はほぼ確定するので一騎打ちなんて願っていた事だよと思いながら刀を抜いて構えた。
すると良い覚悟だと言いながら土蜘蛛は自分を逃さないように物の怪たちが囲い込んでリングみたいにしてから襲い掛かってきたのであった。
やはり実力はかなりのもので下手に攻撃を受けてしまうといくらこの地ではバフがかなり強力とは言え負けて死んでしまう可能性も十分とあるからなと思いながらまずは攻撃を避けて敵の癖を見ながら反撃をしてきた。
それをしていると土蜘蛛がお前はまるで落ちてくる木の葉みたいに攻撃を避けてくるなと言いながら嬉しそうにしていた。
まあ、土蜘蛛は戦闘狂だからな。純粋に強いやつは好きな設定をしているからと思って攻撃を避けては風波や雹嵐などで応戦していた。
特に雹嵐を受けてもまだ動きが鈍ることがない土蜘蛛を見て自分は流石、ボスクラスだなと思って内心では土蜘蛛を褒めていた。
できる事ならば部下にほしいぐらいだと思っているとどうやらそろそろ作戦が開始されそうだなと感じて一時的に土蜘蛛から距離を置いて構えていた。
「やるじゃないか!人間だから全くも期待はしていなかったがここまで俺様と張り合えるのは人間としては初めてだ。名前を教えてくれないだろうか、ここまで張り合える人間としてその名前を覚えておきたいからな」
「貴方みたいな武人にそう言ってくれると個人的にも嬉しい限りですな。自分の名前は西園寺豊也、職業は風水師だ」
「そうか、西園寺豊也と言うのか。良い名前だな、さあ!もっと死闘を楽しもうぜ、豊也」
「それもありだなと思っているがそれはあくまで個人的な感想だ。今はお互いに軍を指揮する者同士、軍を見ておかないとならないですよ。でも個人的には貴方みたいな物の怪は大好きだと伝えておきますよ」
それを伝えていると遠くから地響きが聞こえてきて周りにいる物の怪たちが動揺して辺りを見渡していた。
すると自分だけ冷静にしていることに気がついた土蜘蛛が何か知っているなと聞かれたので素直に答えることにしたのだった。
「それはもう知っていますよ、色々と。それと急ですけどここで問題です!これから話すつもりですけどどうして悪党でもある自分が簡単に話そうとしているのでしょうか?分かる人はいますか」
そう言いながら伝えると物の怪たちが分からずに頭を悩ませていたので無理だったかなと思って答えを教えてあげる事にしたのである。
「皆さんが分かりそうもないので答えを教えますね。答えは・・・・・・・・勝利を確信した時ですよ!!」
そう話した瞬間に地響きの正体が見えてきたのである。それは洪水でありここに向かって流れ込んで来ていたのであった。
それを見て物の怪たちは必死に逃げようとしていたけど間に合うはずもないと思いながら自分は風波で空高く飛んで洪水から回避をしたのだった。
どうしてこんな事ができたのかと言うとそれは半月前に遡る・・・・。
「大将!?それは本気で言っているのですか。そんな無茶苦茶な作戦は納得出来ませんぞ。それをするのがあの猪武者がそれをするなら別に問題はないと思いますが」
「そうでござる!この俺がやるなら・・・・って、この頑固野郎(朱然)、誰が猪武者だ」
「猪武者だから猪武者と言っているだけだ。それはともかくそんな無茶苦茶な作戦では大将が危険です。駄目です!」
「そうでござる!やるならこの吉田政重がやりますので命令をしてほしいでござる」
そう、俺自身が囮となって敵を呼び寄せてから上流に水をせき止めるダムみたいなものを作り出してそして自分が襲われて分散した兵士たちがそれを破壊して一気に物の怪たちを殲滅する作戦である。
風水師の力があれば雨を降らして攻撃をする天滝を発動させてゲリラ豪雨よりも激しい雨を降らして溜めれば半月後にはとんでもない水になっていると予測されている。
そうなればその後に雹嵐で洪水に向かって放てば氷漬けとなり一気に物の怪たちを一掃出来ると判断していた。
そして生き残った物の怪たちを他の部隊と共に殲滅して一気に勝負を決めようとしているのだけど危険すぎるとして反対をされていた。
その時に狐春が静かに自分に対して話してきたのであった。
「主様のことじゃ、止めてもこの作戦はやってしまうじゃろうが・・・・主様、これだけは約束をしてほしいのじゃ、必ず生きて帰ってくると約束をしてほしいのじゃ」
「勿論だ!自分は土佐を必ず豊かにすると決めたのだ。こんな場所では死ねないからな、だからこそ皆のもの!自分に力を貸してほしい。これを見事に成功させて一気に勢力を拡大して夢へと驀進しようではないか!!」
そう言って何とかしてみんなが納得をしてくれていたがこれでみんなに顔向けができるなと考えた。
洪水で物の怪たちが飲まれたがやはり人間より遥かに強い物の怪がこれで死ぬやつは少なく餓鬼などは倒れたくれた。
しかし、そこそこに強いやつはまだ生き残っていたので少しでも数を減らす為に自分は気を集めて空に放って広範囲に雹嵐を発動させて洪水を凍らせ始めた。
そうして抜け出そうとしていた物の怪を次から次へと倒して一気にその数を減らしていった上に多くの物の怪を倒したとして実力も上がっていたので本当にこの作戦が上手く行ったと喜んでいた。
その時に何とかして抜け出した物の怪たちであったがそのタイミングで左右に展開していた部隊たちが集まってきたのだ。
こちらからすれば最高のタイミングであり向こうからすればこれ以上もない最悪のタイミングだなと思いながらも自分は号令をするのだった。
「我の作戦は見事に成功した!後は生き残った物の怪たちの残党を倒して一気にこの戦いに勝利を掴み、土佐を平定しようぞ!!!」
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