ソシャゲの世界って主人公陣営でも敵陣営でもなく中堅勢力が一番良い安定化があるので中堅勢力を作る事にした!

人中の蝮

第1話、鬼畜?理想?これが自分の和華大戦!!

「ねぇ?狐春、どうして風水師は陰陽師より弱いのだろうな。ランクアップして風水師から陰陽師になるのはおかしいと思った事はない?」


自分は大切なパートナーでもある妖狐の狐春(こはる)にどうしても気になっている事を正直に話していた。


するとロングヘアーをしている銀髪の妖狐が悩みながらやはり使える属性が多くなるのが大きいからではないかと言われた。


確かに風水師だと風、水がベースに応用して氷または雷が使えるようになるのだけど風水師の中でも才能がある人物は陰陽師になるのだ。


そうなると使える属性が多くなる上に威力も高まりまた所持出来る式神の数も多くなるのだ。


それでも陰陽師より優れている点はある、それは天候を力はかなり必要になるけど自在に操れること、そうなれば治めている土地は自然と豊かになりどんな貧困な土地でも豊かな土地に変えられるのだ。


だけど世間では陰陽師が完全に風水師の上位互換になっているけど歴史の長さならば明らかに風水師の方が長いのにおかしくないかと思ってしまうけどここではそうはならないのだ。


そう、ここは地球なのではないのだから・・・・・・。



自分はとあるソシャゲオタクの何処にでもいる普通の社畜であったはず。


そう、やり込みまくっているソシャゲ、和華大戦の廃人プレイヤーであった。



そもそも和華大戦とは育成要素や冒険要素に全国のプレイヤーと戦略バトルもできる上にVR形式なのでとてもリアル的にゲームを楽しめて大人気のソシャゲである。


しかも可愛いメインヒロインクラスがなんと千人!その上に全員がVRとして見られるというのだから本当に素晴らしいソシャゲであり自分は人生において一番どハマリしたソシャゲだと堂々と言える。


そして一番人気があった戦乱大戦モードは年に12回ほど開催されて一ヶ月間でどれだけ勢力を伸ばせるかと競うモードで全国のプレイヤーとそうやって争って楽しんでいた。


自分もそれに参加して楽しんでいた、古参プレイヤーとして絶対に一国は統一して終わりにさせていた。


土佐国を統一しているけど土佐は下国なので統一しても報酬は少なかった。


上国、中国、下国の3ランクに分かれていて普通ならば古参プレイヤーは中国ぐらいを狙うのだけど自分は争いなどそこまで参加するつもりもなく土佐ばかりを統一してゆっくりとしていた。


ついでに土佐ばかりを統一して遊んでいるせいで土佐の国を百回ほど統一して貰える称号も獲得している。


その為に周りからはもちろんのこと公式サイトからも土佐守とも言われているがそれと同じぐらいにもう一つの異名があった。


それは狐春の夫と周りだけでもなく公式設定にされてしまったほど狐春を扱い続けていた。


そもそも狐春はこのゲームの中で登場するキャラのランクで星が最大が7に対して最大値まで育てることが出来ても星が5までしか上がらないのだ。


普通なら序盤はともかく終盤になると使う人は基本的にいなくなってしまう。それでも自分はその狐春を使い続けていた。


その理由は単純でこの狐春はヤンデレ妖狐と呼ばれてるキャラで特に先程の戦乱大戦モードでは愛してくれないとか他の女の子ばかり構っていると裏切って背後から襲ってくるのだ。


しかも不満気味だと味方に対してデバフをかけてくるのでこのキャラを使っているだけでも縛りプレイだと言われてしまうほどに不遇なキャラである。


しかし、そんなキャラに心の底から惚れ込んでしまって使い続けている。


その為に他のキャラとか編成に加えないために必然と使えるキャラが少なくそうなると土佐一国と余裕があれば近くの国を奪う事ぐらいしかできずにランキングからも基本的に入ることがなかった。


それなのに毎日のようにやり続けて周りからも運営からももはやネタ扱いをされていたがその毎日の様にしていると3年目には運営からネタとしてレイドボスとして抜擢された事は今でも覚えている。


あれに選ばれたのはある意味嬉しかったしそれにイベントストーリーでは自分みたいなキャラと狐春が主に主役で進んで個人的には本当に運営には感謝をしていた。


そんな事で運営からも他のプレイヤーからも変に愛されていた。


けれどもそこはソシャゲの宿命と言うか必ず終わりはやってくる。


長く愛されたこの和華大戦も十年のサービス期間を続けて遂に終わりを迎えようとしていた。


けれどもそれが自分からすれば新たな物語の始まりでもあったのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る