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英語物理ワールド、さらに奥へ進む。今回は momentum(運動量) と entropy(エントロピー) の“英語での手ざわり”を味わう回。
まず momentum。
英語圏の人にとって momentum は、物理用語より先に「勢い・流れ」で使う日常語。
スポーツ解説で “The team has momentum.” と言えば「あのチーム、波に乗ってる」。
この“波に乗る感覚”が、物理の運動量と意外なくらい噛み合う。
mass(塊の頑固さ) × velocity(向きのある速さ)=止まりにくさ、流れの強さ。
英語話者には「勢い」という生活語の延⻑で読めるので、抽象さが薄まる。
次に entropy。
語源は en-(中へ)+ tropos(向き・変化)。
端的に言えば “向きが乱れること”。
生活語ではまず見ないけれど、文学ではときどき「秩序が崩れる」「世界がほつれる」といった詩的な意味で登場する。
英語話者が entropy で感じるのは、“世界がバラけていく方向性”。
乱雑さというより「方向性を失っていく」感覚が近い。
これを抱いておくと熱力学第二法則は抽象ではなく、
「放っておくと物事はほつれていく」という日常の直観に乗せて読める。
物理用語は無機質な記号のように見えて、英語では不思議と“生活語のよれ”が残っている。
だからこそ、抽象概念でも質感がある。
この質感は Newton の古典力学から量子までずっと続く。
言葉の手ざわりがわかると、式の意味が世界の肌触りに近づく。
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