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名詞と冠詞の話は、英語の“世界地図”みたいなもの。どの場所にいるか分かれば、迷わない。


まずは 「名詞の種類」 をシンプルに整理します。これが冠詞選びの土台。


――ここから説明パート――


英語の名詞は大きく分けて4つ。


可算名詞(Countable Nouns)

 数えられる。単数と複数がある。

 a pen / two pens


不可算名詞(Uncountable Nouns)

 数えられない。基本は単数扱い。

 water / information / advice


固有名詞(Proper Nouns)

 世界で一つとみなされる名前。

 Japan / Ken / Mount Fuji


抽象名詞(Abstract Nouns)

 目に見えない概念。多くが不可算。

 love / happiness / freedom


この分類によって冠詞が決まる。


――冠詞ルールの核心――


英語の冠詞は「その名詞をどれだけ特定しているか」で決まる。


■ a / an

「初登場」+「特定してない」+「可算単数」

例:I saw a cat.(どれでもいい猫)


■ the

「特定できている」

・文脈で特定済み

・世界に1つ(the sun)

・限定語がついて特定(the boy in the blue shirt)


■ 無冠詞(ゼロ冠詞)

・不可算名詞(I love music.)

・可算複数で一般論(Dogs are cute.)

・固有名詞(Ken, Japan)


――判断フローチャート――


① 可算単数?

 YES → 特定できる? → YES = the / NO = a/an

 NO → ② へ


② 可算複数?

 YES → 一般論? → YES = 無冠詞 / NO = the

 NO → ③ へ


③ 不可算?

 YES → 一般論? → YES = 無冠詞 / NO = the


(固有名詞は基本無冠詞、例外多数)


――例で感覚を固める――


・I bought a book.

 初登場、本の特定なし


・The book is interesting.

 話題のあの本


・I love music.

 不可算・一般論


・The music is too loud.

 今流れてる特定の音楽


・Cats are cute.

 猫一般の話(複数+一般論)


・I cleaned the cats.

 いつものうちの猫たち(特定)


――最後に一言――


冠詞は

「話し手の頭の中で何を“指し示しているか”」

を示すマーカー。

日本語に無い感覚だから、慣れるまでは気にするほど混乱するけれど、分かり始めると文章が一気に知的に見える。


続けると、冠詞って意外と芸術的ですらある。英語の“指差し文化”を読めるようになると、文が立体的に見えてくる。

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