僕の世界
外は雨。けれど、ここには。
「外は雨だよ」
そんなふうに、みんな普通に言う。
僕も、昔は何も考えずにそう言ってた。
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でも今、ふと思う。
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窓にあたる雨音は聞こえる。
湿った空気の匂いも、少しだけ感じる。
それでも、
僕の肌は濡れていない。
君とくっついているこの布団は、まだあたたかい。
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雨は、そこにある。
でも、「外」と言った瞬間、
それはもう、僕の世界じゃない。
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僕の世界は、
今、ここにある。
君のぬくもり。
僕の呼吸。
お互いの心臓の音。
それだけで、
世界は満ちている。
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外がどんなに騒がしくても。
世界がどんなに大きくても。
僕にとっての世界は、
君と過ごすこの、小さな空間だけだ。
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「外は雨」
たったそれだけの言葉から、
僕はまた、君との世界を想う。
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