第2話 一瀬さくら

3月、一瀬さくらは、27歳になった。だからなんだっていうのだろう?23歳ごろから、数字が変わるだけで、何が変わるわけではない。

「からっぽ」そんな言葉がよく似合う。全部捨てたから…全部捨てられたのか?違う、記憶が捨てられなかった。でも残った幸せだった日の記憶も、いくらなぞってもぼやけ始めてる。声も笑顔も…ただ感覚は残ってる。集団で嗅ぎ分けた匂い。懐かしい匂いは、再び過去へ連れ戻す。過去をひたすら生きている。


親友は私を捨てた。私のせいでその選択しかなかったのだろう…

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