第1話「支配者」

「…ここは?」

そう思いながら立ち上がり辺りを見渡す。だがこの空間は、白、黒、星の光る宇宙の景色が広がっていた。白の空間はどこまでも白、黒は奈落のように底がない空間、宇宙は、真下に太陽系と銀河系が広がっていた。目を細めて奥を見るとブラックホールもあった。そんな事を考えていると声が聞こえた。

「や!久しぶりだね■■■■■。」

何処か聞いたことのある声が、聞こえてきた事よりも、驚いていた事があった。そう思いながら前を向くとそこには身長は、俺よりも小柄で仮面をつけた女性が背中に悪魔の翼と天使の翼と取れるようなもの、頭には左側に黒い角、右側に黄色に光る崩れた輪っかがあった。そんな風貌の女性のに怒気を孕んだ声で聞く。

「何故その名前を知っている。」

その女性は、仮面を取りながら、笑顔で答えてきた。

「…今は、こう呼んだほうがいいか無敗の剣豪 天童幸也。思い出せ、私がお前を転生させたんだぞ。」

悪魔と天使みたいな女性。そんな人と出会ったことがな…いや、、ある。そうそれは、一度目の人生で処刑され死んだ後。この空間と同じところに来たことがある。その女性の名前を思い出し言う。

「クク…久々だな、混沌と生命の生き死にの支配者…カオス=リアム=ヴァルトまたの名を死生沌皇えいえんのおう。」

目の前の皇は、うん、うん、と頷き。指を鳴らす。そうすると上空から椅子が降りてきた。胸焼けするほどに豪華な装飾をされた椅子に座り言葉を発した。

「…正解だ。」

彼女は、口角を上げ言葉を続ける。だが、俺は、そんな事よりも気になっていたことがあった。それは、それは、

そんな事を考えていると。俺の顔の横を何かが通り過ぎて、背後から轟音が響いた。数秒後、頬から何かが流れているのが感じられた。その液体は、涙でもなく、いつも戦った時のに嗅ぐ匂いのする液体。鉄臭く紅くとろっとした液体。血液、血、血、血、血。ただ思いついたことがあった。この血を操れないのかと。そう思いながら身体に封じていた霊力をちょっと解放した。

「…霊力解放…10%+神力 1%」

今、俺は、いや僕は、気持ちが高ぶっている。そう考えながらも血を操ろうと、集中する。…集中…集中

血刀ブラットレイヴァ……霊刀抜剣術…壱型奥義 天変地異」

そう、言葉を発し血の刀を地面に突き刺し、血を一滴かける。その刀には霊力が宿り、刀を持ち上げ、横へ薙ぐそうすると刀の血が飛び散り辺りへ広がったのだった。






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