第7話
「精算額は全部で4万円になります。よろしいですか?」
自動精算機のタッチパネルで「はい」を選択し精算額が登録口座に振り込まれたことを確認する。
作品巡回して、週刊ランキングチェックして、面白そうなものがあればフォローして(俺はそれなりに話が進んでから読む派なのだ)大体往復含めて4時間ぐらいかな?
あれからゴブリンが1匹湧いたり、ほかの探索者をチラチラ見た程度でのんびり過ごした。
ちなみに今日のリザルトはこんな感じ
・スライム20匹(魔石1個当たり800円)
・ゴブリン10匹(魔石1個当たり2,400円)
え?こんなにいつ倒したのかって?うん、ごめん鼻から出した。
魔物じゃなくて魔石自体を鼻から出せるみたいなんだよね。
この能力ヤバいよね。バレたら間違いなく攫われて、残りの人生鼻から魔石を出すだけになってしまうわ。
そんなわけで「ちょっと運よく湧きのいい場所見つけちゃいました☆」を装いつつ小遣い稼ぎ程度に留めているわけだ。
小遣い稼ぎ、といっても年間200万弱は稼いでるので確定申告が必要な立派な副業といってもいいかもしれないが。
「よし、今日は焼き肉だな!」
大して動いてないから調子乗って食べると太りそうだが、キャベツと赤身肉を多めにすれば問題ない。多分。
◇
休みが明けて今日は普通に仕事。
うちは在宅でもいいんだけど、最近は新人の教育担当になったので毎日出社してる。
あ~、早く昼休みにお布団で昼寝できる環境に戻りたい…
「先輩、おはようございます」
席について挨拶してくれたのは担当してる新人の
つい目線が下にずれそうになるのを堪えてちゃんと目を見て返事する。
「はい。おはようございます。では早速ですが先週の続きやっていきましょうか」
ん?こいつは誰だって?俺だよ。年下の性癖ストライクな女の子に若干固い反応とはいえキョドらずに反応できてるのを褒めて欲しいぐらいだね。
ちなみに一人称も「私」で開発会社にありがちなビジネスカジュアルじゃなくてスーツ着て黒縁眼鏡(伊達)をかけてたりするから見た目と話し方に違和感はないぞ。
「えっと、ペアプログラミング…でしたっけ?先輩が指示して私がプログラムをタイピングして行くっていう」
「はい、経験豊富…というには私もまだ若輩ですが、それなりの経験者とペアプログラミングを行うことで、具体的なプログラミングの進め方や、なぜそう書くのかといった理由をその場ですぐに教えることができるのがメリットですね。では画面を共有してください」
「はい!」
うん、画面横に並べてちょっとくっつき気味にやってもいいんだけどね。
そんなんしてたら仕事に集中できる気がしないので、お互いの席に座って画面を共有しながら指示出したりしてる。ヘタレ言うな。
というか冷静に考えてみてくれ。
確かに俺だってこんな子と仲良くなりたい。
俺の人間不信センサーも働かないので、多分この子は性格もいい子だ
。
しかし…しかし、ここは職場なのだ。
こんな感じで事務的に接するのは仕方ないことなのだ。
ちょっとした行動や言動がセクハラ扱いになりかねないという危険地帯なのだ。
お互いのプライベートに踏み込んだ話をするなど言語道断なのだ。
◇
「…そういえば先輩は休みの日とか何してるんですか?」
仕事がひと段落したところで駆瀬さんが質問してきた。
踏み込んできたな…いや、勘違いしてはいけない。
俺があんまりにも仕事の話しかしないから、彼女なりに会話の幅を広げようとした結果の質問なのだろう。
「…そうですね、小説を読んだりして過ごしてます」
「あ、私もよく読むんです。最近?だと〇良〇うさんとか好きです」
っぐ、名前はわからんが多分最近の有名な小説家だったりするんだろう。
勝ちとか負けとかあるわけではないんだが、なんか負けた気になる。
だがここで変に見栄を張っても後々シンドンだけだ。正直に話そう。
「…すみません、小説といっても
「ライトノベル!私もよく読みます!ちょっと古い作品なんだけど賀〇招〇さんの…」
おっと思ったより食いついてきてくれた。フ〇メ〇なら全巻持ってるから会話できるぜ。
「〇城〇〇〇アント〇ークって作品なんですけどご存じですか?」
代表作じゃなくてそっちで来たか。いや、そっちもアニメ化されてたし面白いんだけどね。…しかしそっちは1巻しか持ってない…会話持つか…?
だがその後「〇ン太君かわいいよね」とかイラスト方面に話が振れたことで事なきを得た。助かったぜ〇〇じま〇か先生。いや、この場合は〇ン太君の初期デザを考えた〇季〇子先生にも感謝すべきか…
…あとこれを機に「〇城〇〇〇アント〇ーク」の残りの巻も買おうか。
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