White Azalea

柚子檸檬

第1章 エロースは黄金の矢を射る

あと7日で卒業。

篠原しのはら 美緒みおさん」 先生が私の名前を呼ぶ声がして、反射的に返事をする。

それも残り少ないと思うと、心做こころなしか感慨かんがい深い。

そんな事を考えていると、ふと視線を感じて振り向く。そこには天使のように微笑み、こちらを見つめる女の子が居た。


それが私の恋人、菅野かんの 明日香あすかだ。


明日香と初めて目が合ったのは高校1年生の秋。

まだ夏の気温が残っていて首筋に汗が滲む放課後、体育館裏にある弓道場で。

弓を放つ音以外がこの世界から遮断しゃだんされているようにも感じられる中、明日香とほんの一瞬見つめ合った。


今もはっきりと覚えている。電流が走ったように、炎に焼かれるように、はたまた凍りつくように。


私はその時、恋に落ちたのだろう。


To Be Continued...,

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