詩集「支離滅裂」

木村 瞭 

詩集「支離滅裂」

第1話 悪夢

 青年は悪夢の中で


 びっしょり冷や汗をかいて


 うんうん呻いた


 青酸カリ入りのジュースよりひどい


 悪夢の凄さの中で


 青年は無限の遠方の星になって


 一人目覚めている恐怖を意識した


 吐き気を催すほど恐ろしい死の恐怖に押しひしがれた


 現実世界の短い生の後、何億年もずっと


 無意識で、ゼロで耐えなければならない恐怖


 現実世界や宇宙


 それは


 何億年も存在し続けるのに


 その間ずっと永遠のゼロである恐怖



 青年は死後の無限の時間の進行を思って


 恐怖に気絶した


 物理的空間の無限と無の観念とから 


 時間の永遠と死せる自己の無の恐怖に


 青年は気絶した

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