第4話「闇堕ち!?炎上!?陽向、推しに裏切られたってマジ?」
コラボ配信の翌朝――
陽向は布団の中でスマホを握りしめ、半目でTwitter(現X)を見よった。
「……はぁ!?なんこれ!?コラボ相手に媚び売りすぎって何!?ファンアートに『量産型』とか言われとるし……なんでうち、炎上しとーと!?」
涙目でスマホをブン投げ、パンダ先輩(クッション)に顔をうずめる陽向。
「うち、頑張ったっちゃろ!?ちゃんと配信盛り上げたっちゃろ!?なんでそげん言われなあかんとよ……っ!」
コメント欄では一部の過激ファンが暴れとった。
【クロノは一人でええやん】
【陽向とかただの素人じゃんw】
【笑い方ウザい、博多弁キモい】
【推しの横に立つな】
「……うっさいわボケェ!!あんたらに何が分かると!?うちの配信に来て、笑ってくれた人もおるったい!!そん人たちまで否定する気かぁああああ!?」
……とは叫んだけど、画面からは何の反応も返ってこん。
寂しさだけが、部屋の中に静かに積もっていく。
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~昼、事務所のカフェスペース~
事務所スタッフ・トミー(陽向の担当マネージャー)がコーヒーを出しながら言う。
「気にすんなって。今の時代、人気出りゃ叩かれるのもセットやけん。」
「でも……やっぱ、うち向いとらんっちゃないかなって……。ただ楽しかっただけなのに……うちは、間違っとったん?」
トミーは少しだけ目を細めてから、優しく語りかけた。
「陽向ちゃん……“好き”を貫くのは、強さが要ると。誰に何言われても、笑って“やりたいけんやる”って言える人が、ホンモノやけん。」
陽向の目がほんの少し潤んだまま、ゆっくりと頷いた。
「……うん。うち、まだ……諦めたくない。こんまま終わるわけにはいかんもん。」
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~その夜、クロノの配信~
【サムネ:『大事な話がある』】
クロノが沈んだ表情で、画面越しに語りかけていた。
「……先日のコラボで、僕のファンの一部が陽向さんに対して、度を越えた誹謗中傷を行いました。僕は、それを見て、深く反省しています。」
コメント欄がざわめく。
【え、どうしたん?】
【マジ謝罪?】
【クロノがここまで言うの珍しい】
【陽向ちゃん可愛かったよ!?】
「……僕は、彼女の配信スタイルを尊敬しています。賑やかで、感情豊かで……何より、自分らしさを貫いている。彼女は、僕にないものを持ってる。」
画面の向こうで、陽向はそれを涙ぐみながら見つめていた。
「……クロノくん……あんた、そげん……。うち、まだやれるかもしれん。」
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~数日後・陽向の復活配信~
「みんなーっ!!うち、帰ってきたばいっ!!!」
コメント欄が、怒涛のように埋まっていく。
【おかえり陽向ー!!】
【待っとったばい!!】
【アンチなんか蹴飛ばせーー!】
【やっぱ博多弁最高っちゃね!】
「うち、いろいろ考えたっちゃけど……やっぱ、配信が好きと!笑ってくれるみんなが好きと!だから、これからも全力でやってくけんね!」
画面の奥で、パンダ先輩もふんわりと揺れてる。
陽向は、泣き笑いしながら手を振った。
「……さぁ、再スタートばい!!ここからが、本当の陽向物語やけんっ!!」
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第1章 第5話予告:「新たなる仲間!?陽向、歌って踊る!?アイドルVTuber襲来!」
配信再開で勢いづく陽向に、今度はライバル事務所からのコラボ申請!?
でもそこには、歌って踊る超キラキラ系アイドルVTuber・ミナミが……!?
「うち、ステージとか無理やっちゃろ……!?そげんキラキラした世界、まぶしすぎるっちゃけどーっ!!」
ツッコミ全開!歌う!?踊る!?うるさくて熱い第5話、次回、テンションMAXで突入っ!!
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