第3話 corruption🔺
#1 教室
教室に居るのは男女合わせて30人ぐらい。3から5人のグループに別れてゴチャゴチャやってる。正面には”自習”とディスプレイされていた。教師は職員室に帰ってしまった。
誰も居ない。
一人で机について椅子に座っている。
近くの一団がヒソヒソし出す。
その内話が纏まって此方にやってくる前に逃げ出す算段を弾き始めると先遣隊が二人やってくる。
「一ちゃん、お友達は?」
そういえば、法士の姿を見ない。登校中は一緒だったのに。
「此れ何だ?」
先遣隊の一人がハンカチを一枚取り出す。
法士のハンカチだった。
「遺品、と言うことで」
ハンカチを机の上に置く。
手を伸ばして手に取ろうとすると引ったくられた。
「拾得物横領」
「保健室に居るよ。早く行かないとホントに遺体になるよ」
「......」
先遣隊の二人を睨み付けた。
「ーーわかった。行ってくる」
席を立ち上がる。
「よせよせ」
「行って来るよーー」
クラスの男子が二人、傍らに来た。
「じゃ、直衞よろしく」
「行ってらっしゃい」
体躯の大きいほうが教室を出ていく。
舌打ちして先遣隊が一団に戻る。
「おっとり刀と行きますか」
残ったほうが手を取る。
どうせ自習で誰も咎めなかった。
#2 保健室
「なぁ、来るまで待つのか?」
「そう言う話だ」
ベッドに縛り付けられた法士は黒い皮の猿轡をされていて身動きも出来ず声も出せない。保健室の保険医はカーテンの向こうで門番をしている。上が既に奴隷にした女医だった。
ドリアン暦248。ドリアンは首都スパルタⅡを占領され、リニア線づたいに西端×××を陥とされた。此処アドストルもあやうかったが、連合宇宙軍とドリアン軍の混成部隊が守りきった。占領軍はスパルタⅡの演算器から全土の演算器掌握を試みたが、ドリアンはアドストルのメインコンピュータで此れを遮断した。
停戦と同時にドリアン政府は首都をニアに遷都。首都機能を移し継戦体勢を整えた。
以来今日まで停戦下の暗闘は全土に燃え広がった。暗闘は概ねスパルタⅡを人質に捕った占領軍に優位だった。
法士の横たわるベッドの傍ら椅子に座って監視するカーストルーラーの手先1,2.
「なぁ、やっちまったとして――」
「止めとけよ」
「誰が困るんだ?」
手下1は席を立つと法士の顔を覗き込んだ。
法士はのぞき込んできた男の顔を冷ややかに見ていたが、諦めたように目を閉じた。
手下1が法士の顔に手を伸ばす。
「止めておけって」
「そうそう。辞めておけ」
手を伸ばした手下1の右手を男子学生が掴んでいた。
「誰だお前は」
男子生徒が男の前に写真をかざす。
「生憎だが」
別の男子生徒が手下2を羽交い絞めにする。
今のうちに、と、法士を縛っている縄を切り、サル靴をを外す。
「一音ありがとう」
「一音、拳銃奪って」
「あ、はい」
言われて手下1の腰に在った拳銃と手下2の拳銃を引き抜いた。
一丁を手下1と挌闘中の男子生徒に手渡す。
「ようし、動くなよ」
もう一丁を、手下2を羽交い絞めにしている男子生徒に手渡す。
「お前ら」
手下2は激高して言葉が出ない。が、銃口を向けられて身動き出来ない。
「ではそういう事で」
#3 校長室
「此れで何人目だっけ?」
「さぁ。」
同朋凌辱への怒りで、突撃した男子学生を拘束。抵抗する男子生徒を拷問。屈服するまで続けた。
「死んだのか?」
「いいえ」
捕まって居る女子生徒は男の相手をしながら、瞳孔の開いた眼で一部始終を見ていた。
無力だった。
「逃げた連中は?」
「名簿で特定できました」
「お見事だ事」
「皮肉は止せ」
「はい」
「戻れ」
「はい」
時刻は未だ19時。
目に黒暗をみるような日々は何時まで続くのだろうと思った日々も既に遠かった。
#4 学梁
二階からの共用空間で大学の学生か職員か不明な男に会う。
拳銃を二丁とも預ける。
「じゃ、宜しく」
「はいはい。宜しくしておくよ」
#5 合同庁舎行アドストル交通バス。
「早退届は?」
「出したよ」
「バレるんじゃ無いか?」
「まぁまぁ」
「何処行くの?」
「中央水路方面」
「木を隠すには森か?」
「反って目だってないか」
午前10時あたりから繁華街へ向かうバスに乗車した高校生は少し目立っていたが、占領後、授業が実質無くなったアドストルでは段々珍しく無くなっていた。
#6 校長室
「何故帰って居ない?」
「今から帰るところで」
「こいつ等か?」
「......」
#7
夜空に月は無い。
厚く曇った暗い灰色の空の下。
使われなくなったサークル煉の一つ。
「どうしたの」
「はい。」
「ああ。」
「死んだの?」
「未だ生きてるって」
同級生が凌辱されているからって突っ込んで来た男子生徒。
拷問されて半死半生。
最後まで屈服しなかったけど。
「明日には奴隷ね」
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