第4話 恥ずかしながら
「…………ふぅ」
「ふふっ、もう何度目ですかそれ。よほど緊張なさっているのですね」
それから、翌日のこと。
放課後にて、深く呼吸を整える僕に可笑しそうに告げる
さて、そんな僕らがいるのは屋上――今日、
さて、彼女がお越しになるのを待つ間、しばし他愛もない会話を楽しんでいたのだけど――
「……ふふっ、それにしても……昨夜はいっそう、それはそれはとっても可愛かったですよ、
「……お願いですので、もう止めてください白河さん」
そう、何とも愉しそうに微笑み告げる。……うん、ほんともうご勘弁いただけたらと。
さて、何のお話かと言うと……まあ、昨日の夜めでたく(?)そういう関係になったことに関してで。
『――それでは、早速ですが本日の夜にでも私の部屋に来てくださいね? 住所は、後ほど送りますので』
『…………へっ?』
昨日、帰り道にて。
話が纏まり連絡先を交換した後、ニコッと笑いそう口にする白河さん。しばらく茫然としていると、彼女は少し可笑しそうに口を開いて――
『あっ、お分かりかとは存じますが、まだお友達ではありませんよ? なにせ、私達はセフレ――つまり、お友達が成立するのはそういう行為をした後ということになりますので』
『…………』
そう、花のような笑顔で告げる。……うん、まあ、言葉も出ないよね。
「……その、すみません。その……満足していただけるようなテクニックなど、僕はまるで持ち合わせていなくて……」
「まあ、それは致し方ないでしょう。改めて確認しますが、初めてなのでしょう?」
「……はい、恥ずかしながら」
ともあれ、この流れなので改めて謝意を述べる。すると、やはり愉しそうに微笑む白河さん。さて、言わずもがな僕はああいう行為は初めてでして……まあ、経験があればテクニックがあったかと言えばそれは懐疑的だけども。ともあれ、やっぱり僕では彼女を――
「――それに、そこは気にすることではありません。そもそも、テクニックなど二の次三の次――貴方は、不器用ながら私を大切にしてくれた。本当に、本当に大切にしてくれた。私としては、それがとても嬉しく……そして、とても満足のいく
「……白河さん」
すると、柔和に微笑みそう口にする白河さん。あくまで、僕の印象だけど……そこに気を遣っているという様子はなく、恐らくは本心で言ってくれていることが窺える。……そっか、こんな僕でも誰かを――
「――ところで、先輩は如何でした?」
「……へっ?」
すると、再び愉しそうな笑顔で尋ねる白河さん。……うん、まあそうなるよね。なので――
「……その、僕も――」
「………………へ?」
たどたどしくも答えようとした
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