『最前線には一番弱い俺がいる』   Where the Weakest Stands First

斎賀 久遠

プロローグ

任務に出れば誰かが死ぬ。俺は、生きて帰るだけの奴隷兵。

でも、気づけば最前線に立っていた。

死なない理由は“奇跡”じゃない。ただ、俺が壊れてるだけだ。

これは、一番弱いはずの俺が、“英雄”と呼ばれるまでの物語。



それまではただの奴隷だった。

名前もなかったし、装備は粗末な貸し出し品。

生きている理由を誰も知らない、そんな存在。


「おい、おまえ、前に出ろ」


誰かがそう言うから、俺は前に立つ。

殴られても、斬られても、——

気づいたら、また立ってた。


周りはそれを**「運が良い」**とか、

**「あの時の傷は浅かった」**って勝手に解釈した。


理由はわからない。


でも気づけば、誰よりも前に立っていた。


そして、また誰かが背中を預けてくる。


俺の名は、まだ誰も知らない。

だけどきっと、いつか知るだろう。


——最前線に、一番弱い俺がいる。

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